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市民活動情報誌『Volo(ウォロ)』2004年5月号(通巻395号) 目次に戻る
情報は誰のものか?

市民コンピュータコミュニケーション研究会(JCAFE)
代表 浜田忠久(taratta@jca.or.jp)

世界情報社会サミット(WSIS)

 昨年十二月、今後の情報社会のあり方を議論する重要な場として国連世界情報社会サミット(WSIS)の第一フェーズがジュネーブで開かれた。二〇〇五年十一月にはチュニスで第二フェーズの開催が予定されている。JCAFEは、この会議にアジアを中心とする他の情報通信関連NGOと連携して準備プロセスから関わっている。ジュネーブでは本会議の他に「コミュニケーションの権利世界フォーラム」などNGO主催の会議が多数開催された。情報社会に関わる世界中のNGOが交流できたことは大きな収穫だったが、しかし、本会議で議論された宣言文書作成にNGOは十分に関与できなかった。

 私たちNGOとしては、コミュニケーションの権利、表現の自由、そして後で詳しく述べる情報の不平等の解消(十三貢に紹介するWIPO、ТRIPsの枠組みの見直し)などを主張したが、先進国、途上国ともに各国政府はこうした意見に消極的であり、最終的な宣言文にほとんど反映されなかった。ある程度NGOの意見が取り入れられたのはインターネットの管理(ガバナンス)の問題くらいであった。

 また、NGOの参加資格については世界各地での準備会議でもしばしば問題となり、国際機関、各国政府、産業界という他のセクターと対等な存在としての参加を認められなかったのは残念である。もちろんNGO側の努力、交渉が十分でなかったということも言えるかもしれないが、主催者の側に「国家の利害を超えて地球レベルの公平、公正、持続可能性、望ましい秩序を議論するためにはNGOの参加が不可欠である」という認識が十分になかったのではないだろうか。

 さらに、従来の国連の世界会議では、マスコミが論点を詳しく報道することによって世論に訴え、NGOの主張を簡単には無視できない状況が作られた。しかしこのWSISでは、情報通信技術という専門分野の会議と受け取られたためかマスコミの関心も低く、これからの市民社会形成に関わるとても重要な議論が行われているということが多くの市民に伝わっていない。また、特に環境や開発などの分野の場合、NGOと発展途上国政府が見解を共有することも多いため、両者の連携によりNGOの主張を合意事項に盛り込めるという側面もあったが、今回はそれもなかった。

 さまざまな情報がデジタル回線を通じて配信できるようになった世界では、その仕組みや基盤を維持する科学技術と経済が大きな意味を持つ。科学技術力や経済力の差がそのまま情報の格差につながることも含めて、WSISでのこれまでの議論ではそれを解消するに十分な対策はとられそうになく、逆に不平等を拡大するおそれが高い。この問題について、特に著作権に焦点をあてて述べてみたい。

デジタル情報の特性

 現在、世界中で数億台のコンピュータがインターネットにつながり、電子メール、Web、ファイル転送などによりさまざまな情報がやり取りされている。ここでやり取りされる情報はコンピュータが扱えるデジタル情報である。デジタル情報は形ある「モノ」と決定的に違う点がある。それは、再生産と流通のコストがほとんどゼロであり、何度使用されても品質が劣化しないことである。つまりファイルという単位でコピー、転送が簡単にできるため、情報や知識の共有に大変適している。インターネットは人類が生み出したすべての知識へのアクセスの可能性を提供したのである。しかし、現実にはすべての情報がすべての人に開かれているわけではない。  

制作コストと著作権


(残念ながらインターネットではここまでです。あとは本誌でみてください!)



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Volo(ウォロ)は大阪ボランティア協会が発行する 市民活動総合情報誌であり、オピニオン誌です。
『月刊ボランティア』創刊1966年。『Volo(ウォロ)』と誌名を変更して2003年新創刊。一貫して「市民が主体的に関わることの大切さ」を伝えてきました。分野・セクターを越えた社会的課題に市民がいかに関わるかを独自のアプローチでタイムリーに発信しています。