| 「より公正で多様性を認め合う市民主体の社会をつくるために、多彩な市民活動を支援するとともに他セクターとも協働して、市民セクターの拡充をめざす」。これは40年間の歩みを通じて、協会が一貫して取り組んできた目標です。
大阪ボランティア協会は、1965年、全国に先駆けて発足した市民活動推進センターです。「ボランティア」という言葉が国語辞典にも掲載されていなかった当時、一種の“専門用語”を団体名に冠したのは、「ボランティア」という言葉に、旧来の「奉仕」という言葉と異なり、自治的に社会を創造する担い手という意味があることに着目したからです。
“意志・志し”という意味のラテン語 volo(ウォロ)から生まれたvolunteerという英語は、「自分で考え自己責任で行動する人」とも訳せます。つまりボランティア活動とは「市民」としての主体的判断に基づく社会活動という意味をもつ言葉なのです。協会は、この“自分で考え自己責任で行動できる”自立した市民が育まれ、その自由で主体的な社会活動の推進を通して「市民社会」構築の拠点たらんとするビジョンを持って創設されたのです。
実際、1981年にまとめられた「大阪ボランティア協会・基本要綱」でも、協会の役割を以下のように述べています。 「福祉的課題の解決には、国および地方自治体の努力とともに住民一人ひとりが行政に対し、より高い福祉の基盤の整備と充実を促すとともに、自らが主体的・自発的にその課題解決に参加することがなければ真の解決にはなりません。ボランティア活動は、このように住民の側からの福祉的課題解決と連帯社会づくりの活動であります」
「一方、この活動は、この活動を通して住民自らが人間の尊厳に目ざめ、参加と創造の喜びを得るとともに、より高い福祉や文化のあり方や問題を学び、あるいは伝えあって、自分たちの地域社会に人間的連帯を育て、さらに民主主義と住民自治を創造していく役割もあります」
現在、ボランティアの活動領域は、「福祉」の領域を越えて、環境保全、国際交流・協力、文化創造、人権擁護など社会のあらゆる問題に広がっています。そこで、上記の文中にある「福祉的」という文言は「社会的」と読み替えねばならないでしょうが、その核となる理念は「基本要綱」作成から20年以上を経た今日も当協会の理念として生きています。
そしてこの理念は、各種の事業推進を通じて“協会らしさ”を形作ってきました。 たとえばコミュニティの課題に直接関わる「ボランティアコーディネーション事業」では、地域ぐるみ的なアプローチに優先して、まず依頼者一人ひとりの生き方を支えることに重点をおく“個別対応”を基本としてきました。単に「社会的弱者」の支援というレベルにとどまらず、様々なハンディをもちながら生きる人々の“個”を尊重し、“違い”を認め合う社会作りの一環として、相談調整活動に取り組んでいます。
また「出版事業」でも、発行書籍のタイトルに「参加する福祉」「管理社会への挑戦」「自由と共感の活動」といったフレーズを盛り込み、ボランティア活動を通じて市民が主体となった社会づくりを提唱。政府が進める市民活動振興政策に対しても、民間の立場から鋭い検証を重ねるなど、市民サイドの活動拠点としての立場を堅持してきました。
このため協会運営においても、市民、企業、財団など民間の力で財政基盤を確立できるよう努力を続けており、独立した立場で行政などとのパートナーシップを築いてきたのです。
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