大阪・京阪神の寄付集め奮闘記!
Vol.1 (特活)アクセス‐共生社会をめざす地球市民の会

団体概要

アクセスは、 日本とアジアの市民の相互交流や支援をすすめ、アジアにおける市民のネットワークを広げていくことを通じて、貧困のない、基本的人権の尊重された平和なアジアをつくりあげることを目的とした国際協力NGO(非営利・非政府団体)です。
フィリピンの貧しい人々も日本で暮らす人々も、ともに地球市民として、「貧困を始めとする私たちが抱える社会的な課題を、 1人1人が主体となって解決し、より良い社会を作っていく」ことを目指しています。

野田沙良さん理事・事務局長野田沙良さん
(理事・事務局長)

きっかけは組織の危機。私たちが選んだ脱出方法=支援者集めでした。

アクセスは、京都の企業が労働組合からの提案を受けて、1988年に設立。企業の社会貢献活動の一環として、滞日外国人支援(留学生寮やシェルターの運営など)を行ったのがはじまりです。
その後企業が経営破たんし、NPO法人として独立、2007年にいよいよ赤字が深刻化、「縮小して維持か、職員を雇用しながら拡大・継続か」の選択を迫られました。 出した答えは"拡大路線"。
ここから怒涛の支援者集めがスタートします。
支援者集めのためにまずやったこと、それは組織分析です。
徹底的に組織の強み弱みを洗い出し、支援者集めという観点から改善が必要な点、もっと工夫できる点を明確にして、実際に取り組む、ということでした。情報公開に耐えうる組織の基盤整備がその1つです。
文字がたくさん並んでいた年次報告書は、グラフや写真、図を使うようになり、団体リーフレットのデザインも刷新。全て支援者に読んでもらえるもの、もっと団体について知りたい!と思ってもらえるものを意識して作成しました。アカウンタビリティ(説明責任)の強化は、のちに取り組む企業とのはじめての協働でもとても役立ちました。
この時は、資金調達セミナーにたくさん参加しましたし、情報公開について相当勉強しました(笑)

まずは既存の支援者から、そして新しい会員獲得へ

アクセスでは、現地ツアーに参加する際、「アクセスの会員になること」を条件としています。ですから、ツアー広報がうまくいけば、年間約60人の新規会員獲得に繋がります。ただ、この新規入会者の退会を食い止め、継続支援、追加支援につなげることが大切です。
同じ支援者(寄付者・会員)でも、フィリピンのアクセス事業地を訪問したことがあり、現地の人々と実際に交流した経験のある方やアクセスのボランティアスタッフをしたことがある方の方が、「支援を続けたい」という思いは当然強い。ですから、そうした方々への支援のお願いに、一番力を入れています。
例えば、学生ボランティアが大学を卒業する時に、おめでとうのメッセージカードとともに「追加入会(会員口数を増やす)のお願い」レターを渡します。半数以上が、「これから活動できなくなる代わりに、会費で応援し続けたい!」と、追加入会してくれます。
会員の皆さんに寄付を呼びかける「冬季カンパキャンペーン」では、キャンペーンチラシと一緒に、フィリピンからの手書きのクリスマスカードを一緒に送っています。手書きのカードにすることで、日頃の支援への感謝を伝えると同時に、フィリピンの人々を身近に感じてもらい、「この手紙を書いた人の生活を支えたい」と思ってもらえるような工夫です。
こうした既存の支援者への対応とは別に、「これから支援者になるかもしれない方々」を意識して作っているのが、団体紹介リーフレット、年次報告書、ホームページです。
団体リーフレットは、「もっとアクセスのことを知りたい」と思ってもらえるように、と意識しています。年次報告書やホームページは、「アクセスって誰がやっているどういう規模の団体だろう?」というよくある疑問に応えられるよう、決算報告書、予算書、理事一覧、沿革といった組織概要を必ず掲載します。
また、新聞や雑誌に掲載された記録も公開するようにしています。

大奮闘の支援者集めが新たな展開へ

寄付集めの新たな展開がはじまったのは、2010年。関西NGO協議会の紹介で、近畿労働金庫との初めての企業連携がカタチになりました。近畿労金が預金利用者に渡していた粗品代を、フィリピンの子どもたちの給食代にあてる「心のそしなプロジェクト」がスタートしました。
近畿労金は、とにかくわかりやすい形で寄付が結果につながる支援プログラムを探しておられました。アクセスも企業との連携は初めてでひとつひとつ仕組みをつくることになりました。
アクセスは小さな団体ですから、支援の規模は大きくありませんが、その分、現地の子どもたちの名前と顔が一致するような、「顔の見える」報告ができます。写真や映像、手書きメッセージなどを使い、成長の様子も分かるような工夫をしたのが喜ばれました。最初はお互いに、「やりたいこと」と「できないこと」の妥協点を探りながらだったように思いますが、近畿労金の担当の方が、支援を受ける側のフィリピンの人々の気持ちにずいぶん配慮してくださったので、とても進めやすかったです。
嬉しかったのは、このプロジェクトでつながったことをきっかけに、ビンゴゲームの景品代の一部をフィリピンの子どもたちへの学用品代として寄付いただいたり、アンケート回答者への景品をアクセスのフェアトレード商品にしてくださったり、様々な支援が広がっていることです。

チャンスは突然やってくる。その時のために、準備をきっちりと。

支援者集めの時も企業連携の時も、年次報告やホームページでの情報公開とデータベースの整備など組織基盤をきちんと整えていて本当に良かったと思いました。自分たちがどんな団体で何をしているかをわかりやすく、受け手に伝わるように発信することが肝だと思っています。
アクセスは、「市民のネットワークが貧困のない社会を創る」をキャッチコピーに、一人ひとりの主体的な参加による課題解決を目指しています。その意味で、団体にとって会員や寄付はとても大切な存在です。

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