Vマーク青 月刊ボランティア〜Internet Edition〜
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No.353 / 2000年3月号

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No.353この人に写真 この人に ...No.161
● この人に  
俳 優 近藤 正臣さん ● 

自分の愉しみを奪うモノは

放ってはおけない!

それだけなんやけど・・・

 こういった自然保護とかの講演に呼ばれて話をしてくれって言われるんだけど、何を話せばいいのかな…。なんのために呼ばれているか、教えてほしいくらいだよ(笑)。

 別に、自然保護云々の運動をしているつもりはなくって、単なる「釣り好き」な人間だけなんであって…。釣りをはじめた時も、町の人に「その釣りかたじゃぁ釣れないよ」って言われたことがあって、それからなんか躍起になって釣りをしているうちにはまっていった。だんだん釣り方ってのが分かってくるようになると次に言われたのは、「サツキマスを釣れないと釣りじゃない」。「ならぜひ一度釣りたい!」って思ったよ。吉田川から上ってくるその魚は釣るのがとても難しいんだけど、それを釣りたいと思っていた矢先、「長良川に河口堰ができて、サツキマスが上れなくなる」というのを耳にした。

 その時、「アカン!俺の愉しみを奪うモノは許さん!」って感情が沸き上がったんだけど、国が決めたことやから変えられん…と周囲は言う。「そんなんおかしい…」。ただただそう思ってた時に河口堰反対運動をしていた天野令子さんの新聞記事を見て、すぐ電話した。「近藤と言いますが…何かできることないですか?」って。むこうは最初きょとんとして、次に電話口でゴソゴソと相談。そしたらいきなり「パンダになってください!」と言われた。「??」。なんなんだ、それは…って思ったね(笑)。つまり、反対デモの行進をするからパンダのぬいぐるみを着てほしいということらしい。ま、いいか…と思って引き受けたんだが、それが終われば、次は「署名を集めてくれ」、さらに、「カンパをしてくれ…」とどんどん頼まれて、いつのまにか長良川に行くハメになってしまった。

 僕はそもそも海も好きで、手でさわって、モノを納得するタイプ。海を見るだけじゃだめ。潜って感じたい…そんなタイプかな。沖縄に久し振りに潜った時も「自然は壮絶…」だと思った。だって、久々に潜った沖縄の海には、魚がいない。浜辺から見ればあんなにキレイなのに、中に入るとサンゴも死んでいる。川もね、同じなんだよ。ある人が「川を見るんじゃなくて、山を見ろ」と言っていた。そうなんだよね。山が水をためて、川を作る。雑木林が保水力も持つから、川が形成される。人間の生活に一見役に立たないように見える木が地を支えている。つまり、ライフサイクルを見ないといけない。

 今も吉野川のこともやっている。ただね。僕は、自分のマスが釣りたいだけなんだけどなぁ…(笑)。結局、まだサツキマスを釣れてないんだよね。これを釣るまでは頑張るつもりでいる。

(ミア)

●近藤正臣さんプロフィール● 俳優

1942年、京都府生まれ。1966年、今村昌平監督『人類学入門』でデビュー。現在も、テレビ・映画・舞台と幅広く活躍中。趣味の渓流釣りを通じて、日本の川の惨状を知り、長良川河口堰建設反対の集会に参加。釣り人としての立場から、自然保護運動にも協力している。


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