月刊ボランティア〜Internet Edition〜
Vマーク青 月刊ボランティア〜Internet Edition〜
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No.352/ 2000年1・2月合併号

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これは特集のダイジェスト版です。全文はぜひ『月刊ボランティア』本誌をお求めの上、ご覧ください。

 ミレニアム、世紀末…、何か特別な感じを受ける新年が始まりました。
 さて、昨年は特定非営利活動法人の認証申請などで「NPO」という言葉が急速に普及した年でした。しかしその分、少し影が薄くなった感があるのが「ボランティア」。
 そんな中、新春のある日、市民活動の仲間がよく出入りする喫茶店では、こんな会話が弾んでいました。その会話を聞いてみることにしました。
 話の中から、今年、そして今後の市民活動の世界も垣間見えてくるようです。

NPOの核にいるのはボランティア

 混乱するNPOのイメージ

絵里 あけましておめでとう。
長介 これは、明日新聞の絵里さん。おめでとう。
裕二 こんにちは。おひさしぶり。
絵里 裕二くん、来てたんだ。おめでとう、今年もよろしく。
裕二 ところで、今日はどうしたの?
絵里 市民活動のことなら何でも知ってる長介さんに取材協力のお願い。
 この前、ボランティアグループのリーダーを集めた研修会を取材に行ったら、講師が厳しい人でね。「そんな甘い認識ではNPOにはなれませんよ」といった調子でガンガン迫ってくるの。要は事業計画にのっとったスケジュール管理や資金管理の徹底を、グループのリーダーたちに説いていたんだけど。でも、これって、何か変だなと思って。
裕二 どうして?
絵里 だって、NPOって、非営利組織のことでしょう。だったらボランティアグループも立派なNPOじゃない。既にNPOである存在に、「NPOになれる、なれない」という風に話すのっておかしくない?
裕二 ふーん。市民活動の中に偉い組織と普通の組織があるみたいだね。
長介 なるほど。そのことか? どうも新しい言葉が広がる時というのは混乱しがちだからね。特にNPOとボランティアの関係は誤解も多いと思う。研修会のタイトルで、「ボランティアからNPOへ」などとNPOをボランティア活動の上に置いてとらえるのも少なくないからね。


 混乱の原因は「NPO法」

長介 そもそもNPOという言葉の意味が混乱している原因の一つは、一九九八年十二月に施行された「特定非営利活動促進法」という法律の名前にあるんだよ。
絵里 NPO法のことでしょう。
長介 そう、マスコミはすぐそう略すだろう。そこが誤解の元なんだ。
絵里 だって限られた紙面にできるだけ多くの情報を盛り込むための努力の結果ですよ。
長介 それは分かるけど、その結果、NPOとは特定非営利活動法人のことだという誤解が広がってしまったんだ。
裕二 特定…非営利活動法人。なに、その長ったらしい名前。
絵里 NPO法によって取得しやすくなった法人格の名前よ。確かに私たちは、言葉の中に「非営利」が入っていることもあって特定非営利活動法人のことをNPO法人って書いたりするからな。そこで、NPO=NPO法人と誤解する。
長介 もっともマスコミの前に、国会議員にも責任の一端はあってね。というのもこの法律は、もともと「市民活動促進法(案)」として提案されていた。しかし法案の検討過程で与党の一部議員から、法律に「市民」などというよく分からない言葉を使うのは不適切だという意見が強く出された。そこで関係者が知恵を絞って生まれたのが「特定非営利活動促進法」。
裕二 もともとは市民活動促進法か。ならば法人格の名前は…。
絵里 市民活動法人だったかな。
長介 そう、これならNPO法人とは略さなかっただろうね。
裕二 法律の名称変更で、NPOが狭いイメージになってしまったんだ。


 赤字企業だらけの日本は
      「NPO大国」?

裕二 でも、そもそもNPOなどと英語を使うから誤解が生まれやすいんだよね。これは何の略なの?
絵里 Noisy Person Organizationなんていう冗談もあるけど、本当はNonprofit Organizationの略。Nonは「〜ではない・非」、profitが「利益」、Organizationは「組識」。
裕二 ならばNPOは「非・利益・組識」ということになるけど、だとすると赤字の企業もNPOになるの?
長介 もし、そうだったら日本は「NPO大国」だな。なんせ、一九九八年度決算で赤字状態にある日本企業は六七%もあったし。そこには長引く不況の影響もあるが、実はこの数字、好況時でも五割を下回ることはほとんどない。だから常にNPO大国!
絵里 確かに日本には「利益を出さない営利企業」が大量に存在するのよね。合法的に法人の経費と認められる支出を積み重ねて決算書上の利益を抑え、法人税の課税をまぬがれる企業が少なくないから。
裕二 ふーん。でも、だとしたらNonprofit Organizationという言い方は分かりにくいな。普通に読むと「赤字企業もNPO」と思ってしまうよ。
長介 そこで実は別の言葉もあるんだ。NPOの対語にあたるのはFPO(For Profit Organization)、つまり利益追求の組織、企業のこと。NPOはこの言葉の対語だから、Nonprofit OrganizationではなくNot-for-profit Organization という呼び方もある。
絵里 「利益(をあげる)のためではない組織」ということね。
長介 そう。NPOとは「利益ではなく、使命(mission)実現を『目的とする(for)』組識」ということだ。
裕二 それだと、企業は、たとえ利益が出なくても、利益追求を「目的とする」組識だからFPO、営利組識。NPOの場合、たとえ剰余金が出ても、その全額を次年度の事業推進に投資して使命の実現に努力するから非営利組識となるね。


 「何でもあり」のNPO界

裕二 でも「利益追求を目的としない組識」なんていう定義は漠然としているな。いったい、どのような団体が含まれるの?
長介 これがスゴイ。この前、この店を会場に開いた「わくわく市民講座」の時に講師の先生が説明で使った図(省略)が、これなんだけどね。
絵里 何、これ? ゴチャゴチャしていて、よく分からないわ。
長介 まぁね。これでも、かなり要約しているんだけど。
裕二 草の根の市民活動団体に加えて、社団法人、財団法人…。社会福祉法人や医療法人とかは、要は民間の福祉施設や私立病院、私立学校だよね。それに、生協、労組、政党、宗教団体、地域の自治会や同窓会まで入るんだ。これだったら、企業と役所以外、全部、入ることになってしまうぞ。
長介 でも、そうなんだな。それこそ、IOC(国際オリンピック委員会)から、身近なボランティアグループまで。規模も活動内容も雰囲気も違う多様な団体が、みんなNPOの中に含まれることになる。
絵里 でも、これほど多様な存在を一括りにNPOと呼んでしまうというのは、随分、乱暴なようにも思えてくるわ。
裕二 なんでもありだけど、お互いに同類とは思っていないよね。


  ボランティアが核にいる組識

長介 確かに多様だけど、あえて言えば、重要な共通点があると思うな。
 それは、先にあげたすべてのNPOは、元来、「ボランティアが経営する組織だ」という点だよ。
裕二 「ボランティアが経営する」ってどういうこと?
長介 NPO運営の中核にはボランティアがいるということ。つまりNPOの役員や運営委員はボランティアが原則なんだ。確かに常務理事のように専従の役員の場合は、職員としての給与をもらうことがあるけれど、企業のように役員が利益を分配するという形にはなっていないだろう。
絵里 確かにNPOの役員はそれぞれの団体の「使命実現のために」結集しているわけで、出席役員に旅費を出すNPOはあっても、給与は出さないよね。
 そう言えば、特定非営利活動促進法でも、理事の三分の二以上が無給、つまり役員としてはボランティアでないといけないって規定になっていたわね。
裕二 でも、普通のボランティアグループのリーダーと大きな福祉施設の理事を同列で考えられるのかな?
長介 根本的には同じ役割を担うはずだよ。
裕二 うーん。でも、もう一つピンとこないなー。
絵里 ならば、ボランティアグループと大きな福祉施設の違いを考えてみればいいんだ。両者はどこが違うか?
裕二 いくらでもあるけど、今のボランティアの話で言えば、福祉施設には職員がいるけど、ボランティアグループはボランティアだけ。
長介 結局、ポイントはそこなんだ。ただし、この点を整理するには、以前、よく使われた「有償ボランティア」のことを思い出してもらった方が良いかもしれないな。

構成 編集委員 早瀬 昇

(残念ながらインターネットではここまでです。あとは本誌でみてください!)


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