月刊ボランティア〜Internet Edition〜
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No.349/ 99年10月号

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これは特集のダイジェスト版です。全文はぜひ『月刊ボランティア』本誌をお求めの上、ご覧ください。

郵便料金割引制度を作ろう
市民活動を支える
郵便料金割引制度を作ろう!

今年の六月号(第三四六号)で、市民活動を支えるアメリカの郵便制度について紹介した。

 米国の市民活動を支える仕組みとしては、多額の寄付金控除を認める税制度や莫大な個人寄付、そして国民の半数がボランティア活動に参加するという伝統などが有名だが、もう一つ、重要な仕組みがある。一般市民とNPOをつなぐ「郵便料金割引制度」の存在だ。米国では寄付の依頼、ボランティアの案内などのダイレクトメールを安い郵送料(約三割引)で多くの市民に送ることができ、これによってNPOは支援者の輪を広げている。優遇を受けている団体は全米で約五十万団体にものぼる。

 日本でも、非営利活動を支える郵便料金割引制度ができないだろうか? 今月号では、日本版「郵便料金NPO割引」実現に向け、現状把握と制度創設の戦略を考えてみた。


郵便局が展開する多様なNPO支援事業

 そもそも、最近、郵便局とボランティア活動やNPOとの接点はどんどん増えている。

 たとえば全国の主要郵便局にボランティア相談コーナーを開設する「ボランティアポスト」事業(一九九九年度予算額、四億五千二百万円)、今や二千五百万人もの加入者を誇る「国際ボランティア貯金」(報告会経費など 九千万円)、災害時に民間救援団体への寄付を仲介する「災害ボランティア口座」、ボランティア講座などにも助成する「かんぽ健康増進支援事業」(二十三億二千二百万円)…。投じられる経費は総額二十九億円にもなる。

 このように、郵便局の三大業務「郵便・貯金・保険」のうち貯金と保険の方では市民活動を支援する事業が大々的に取り組まれているのに、肝心の郵便事業はどうだろう。市民活動を支える郵便事業、具体的には米国のようなNPOを対象とした割引制度の創設ができないものだろうか?

 非営利団体にとって郵便事業とは、会員に活動実績を報告し、一般市民に支援を呼びかける「橋渡し役」として、とても重要な意味をもつものだからだ。

 そこで編集部では、この「割引制度」の意味を考えるため、まずボランティアグループや各地のNPOを対象に緊急のアンケート調査を実施した(コラム参照)。

 その結果は市民活動団体の支出に占める郵送費の「重み」が如実に示されるもので、ボランティアグループで総支出の四分の一、専従スタッフを抱えた人件費なども必要な団体でも九%が郵送費だった。しかも郵送費の六四%は支援者と団体をつなぐ会報や寄付依頼状などの送料。郵便料金の割引が市民活動を支える有力な方法となることが分かった。


第三種郵便 = 五百部以上、年四回発行、有料頒布八割

 では、具体的にどのような形の割引制度が考えられるだろうか。そこで、まず現行の割引サービスを見てみよう。

 現行の郵便料金割引サービスの中でNPOに関係するのは「第三種郵便」だろう。既に利用している団体もあるとはいえ、意外に知られていない面も多い。郵便法二十三条から二十五条の規定を元に、必要な条件などを再確認してみたい。

 まず第二十三条三項の一では、発行回数として「毎年一回以上の回数で省令で定める回数以上、号を追って定期に発行するものであること」とある。この規定のうち「定期に……」より前の部分については、一九九七年七月まで「毎月一回以上号を逐って」となっていた。つまり、九七年七月以前は「毎月一回」必ず発行しなければならなかったが、九七年七月以降は「省令で定める回数」をクリアすればいいということになっている。

 では、省令で定める回数とは何回なのか。近畿郵政局で確認したところ、それは「年に四回」ということだった。九七年七月以前は「毎月一回」だったのが、それ以降は「年四回」に緩和されているのである。定期監査の回数も、以前は「毎年一回」だったが、発行回数が変わったのと同時に「三年に一回」に改められている。そもそも、郵便法の規定では、「郵政大臣は…定期に…第三項の各号の条件を具備しているかどうかの監査を行うものとする」=第二十三条の三(監査)第一項=とあるだけで、監査の間隔が具体的に定められているわけではない。

 その他の条件としては、「開封」に加え、「掲載事項の性質上発行の終期を予定し得ないもの」(第二十三条三項の二)、「政治、経済、文化その他公共的な事項を報道し、又は論議することを目的とし、あまねく発売されるものであること」(同三)となっている。

 また「郵便規則」では、「該当しないもの」として、

●会報、会誌、社報その他団体が発行するもので、当該団体又は団体の構成員の消息、意見の交換等を主たる内容とするもの

●一回の発行部数が五百部に満たないもの

●一回の発行部数に占める発売部数の割合が百分の八十に満たないもの

●定価を付していないものを挙げている。

 例えば学校の同窓会誌などは、いくら発行部数が多くても「特定の人だけを対象にした、狭い範囲のものであるので認められない」(近畿郵政局)し、NPOの機関紙であっても、内容が仲間内の行事案内や通信だけなら認められないことになる。これらの条件を満たして、初めて第三種郵便の認可が下りるのである。


「障害者定期刊行物協会」方式

 九七年七月以降、条件が緩和されたとはいえ、第三種郵便の規定を満たすのは「しんどい」というNPOは多い。だが、現行の割引サービスとしては第三種郵便のほかは、「第四種」の中の盲人用「点字郵便物」「録音物等郵便物」(いずれも無料)しかないのが現実だ(小包や、大量に郵送する場合の割引などは除く)。NPOと郵便を考える時、第三種郵便をもっと利用しやすいものにすることが第一歩だろう。

 そこで参考になるのが、障害者団体の取り組みだ。

 障害者団体については、第三種郵便の中でも「低料扱い」がなされている。一般の第三種郵便(新聞形式でないもの)が一通六十円であるのに対し、「心身障害者団体が発行するもの」は、「冊子形式で綴じてあるもの」は一通十五円(五十グラムまで)、「新聞形式で綴じていないもの」は一通八円(同)という、圧倒的な安さで送ることができるのだ。

 「KSK」「SSK」などの題号が書かれた機関誌やニュースレターを目にした人もあると思う。これらは全国各地域における、障害者団体の刊行物であることを示している。表紙(最初のページ)に「KSK」と書いてあれば、それは「関西障害者定期刊行物協会」(関定協)を発行人とする、第三種郵便の条件を満たした刊行物であることを意味する。

 現在、「○○(身体)障害者定期刊行物協会」などの名称で障害者団体の機関誌(紙)を発行しているグループは、編集部が確認したところ、全国に十四団体あった【上表】。個々の団体には負担が大きい第三種郵便の認可申請や監査を、団体が集まってグループをつくり、そのグループが名義上の発行人となることでクリアしているのである。

 この協会が生まれたのは一九六六年。東京の「身体障害者団体定期刊行物協会」(現「障害者団体定期刊行物協会」)が最初だ。同協会が発行した「身定協の発足から現在まで」という文章によると、きっかけは同年の第四種郵便の大幅な適用制限と、第一種郵便の大幅値上げだったという。以下、文章から抜粋すると、「七一年の郵便料金大幅値上げに際しては、加盟十四団体が結束して厚生省および郵政省との交渉に当たることになり(中略)その年の五月十九日に…一応最終合意に達しました」「七六年一月二五日に郵便料金の改定が実施された際、身定協に加盟する心身障害者団体の刊行物は、通常の第三種郵便物とは別個の低料第三種郵便物として扱われることになり、実質上の料金据え置きとなったのでした」「八一年の郵便料金の値上げ、八九年四月の消費税導入にともなう税金加算、さらに九四年の郵便料金値上げという数次にわたる料金改定のつど、郵政当局の配慮によって料金が据え置かれ、心身障害者団体の利益が維持されて今日にいたっています」などとある。七一年五月の合意によって、発行団体や発行部数・回数、共通題号などが取り決められ、現在のシステムとなっている。 取材執筆 増田宏幸、早瀬 昇

(インターネットでは残念ながらここまでです。続きは本誌でどうぞ!)


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