Vマーク青 月刊ボランティア〜Internet Edition〜
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No.347 / 99年7・8月合併号

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No.347この人に写真 この人に ...No.155 ● 堀内 正美さん ● 

「助け」を求める声を出すのは難しいよね。

だから、そういう人たちが「声」を出せる場所が

必要なんだと思うよ。

 子どもの頃って、”空き地“さえあれば、土でおだんご作って、草花とか何でも道具にして遊んでいたよね。想像力で何でもできた。ところが、大人はそうやって遊ぶ想像力を失ってしまった。震災時に「がんばろう!!神戸」を作って、今いろんな活動に関わっているけれど、僕も、ここの仲間も求めていたのは、そんな「あの頃」であり、”空き地“だったわけで、僕たちのボランタリーな活動の原点はそこにあると思う。

 ”空き地“ってパブリックな場所でしょ。例えば、欧米のようにトイレはパブリックな場所なんだよね。だから「汚したら自分で掃除しなさい」というふうに、家庭のなかで役割を通して”パブリック“意識を日常のなかで身につけている。日本では、「トイレはお母さんが掃除する場所」であり、その一方で、学校では「トイレはみんなで掃除しなさい」。このギャップではパブリックという意識が偏ってしまう。

 日本ではパブリックっていうと「官」って意識が強い。(九五年)一月十六日までは、公園にゴミがあれば役所に電話してゴミを取りにきてもらい、人がうずくまっていれば救急車が来てくれた。ところが、震災が起こった十七日にはどこにも電話が通じなくなってしまった。じゃあ、その時、人は待ったかというと待たなかったね。「お水がほしい」って言うと「それなら、ここに行けばもらえるよ」とみんなで情報交換してどんどん動いた。そうなんだ、パブリックって「みんなのことなんだ」って震災が教えてくれたと思う。

 「がんばろう!!神戸」を作った時、「私は何ができるだろう。何もしなくていいのか」というニーズを持った人がやってきた。僕自身、「ボランティア」をそれほど分かってないけれど、活動や人の出会いを通して見えてきたことは、「ニーズがあるから、活動する人が存在するんだ」ってこと。だから、僕はボランティアが集まる場所じゃなくて、ニーズを持った人が気軽に声を出せる場所を作りたい。ボランティアは、「できないことをできない」と言える勇気を持った人じゃないかな。できない部分を補える人はまわりにいっぱいいるからね。

 でも、なかなか人って助けを求める声って出せないし、勇気もいる。そういう人たちへのスペースを提供したい! そして、この「がんばろう!!神戸」という空間を、できればどんどん狭くしていきたい。最終的には一人ひとりの中の”空き地“へ戻っていくと思うから。この空間を活用して、「可能性としての自分」を仲間と一緒に見つけてほしいですね。

(ミア)

●堀内正美さんのプロフィール●

 俳優。大学在学中、テレビドラマ「わが愛」で俳優デビュー。テレビをはじめ、舞台、映画CMに出演。震災の二日後、地元のラジオ局に駆けつけ、安否情報や災害の様子を徹夜で放送。番組を通じて集まった300人ほどで「がんばろう!!神戸」を結成。「市民版引っ越しプロジェクトや「震災モニュメントマップ」を作成、市民が自由に活動できる場を提供している。


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