月刊ボランティア〜Internet Edition〜
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No.344/ 99年4号

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【 特集 】

◇◇ ボランティア・コーディネーターを根づかせよう! ◇◇
〜その戦略と課題〜


これは特集のダイジェスト版です。全文はぜひ『月刊ボランティア』本誌をお求めの上、ご覧ください。

 阪神・淡路大震災以降、ようやくボランティアコーディネーターの必要性について言及されるようになってきた。また、実際にその配置も進んできている。社会福祉協議会ボランティアセンターはもとより、災害ボランティアコーディネーターや、生涯学習ボランティアコーディネーターなど、新たな領域も出現してきた。

 二月に大阪で開催された「全国ボランティアコーディネーター研究集会’99」には、全国から四百人を超える多様な分野からの参加者があり、その関心の高さと広がりを物語っている。

 しかし、相変わらずボランティアコーディネーターをめぐる現実は厳しい。「役割が正しく理解されていない」「職員としての位置づけがあいまい」などの悩みは、人数が増えてきた現在も続いている。つまり「間違いだらけのボランティアコーディネーター像」が一人歩きしているのも事実だ。

 あらためて、日本におけるボランティアコーディネーターの実状を整理し、今後社会に根づいていくための課題を探ってみよう。

◆ボランティアコーディネーターについての認識度チェック

 まず、これを読んでいる皆さんは、「ボランティアコーディネーター」についてどのような認識を持っておられるのだろうか。また、もし、これを読んでいるあなたがボランティアコーディネーターなら、あなたのまわりの人々(上司や同僚)は、あなたの仕事についてどのような認識を持っているのだろうか。

 左の図を見ていただきたい。質問にそって回答していただくと、タイプ@からタイプCまでに分かれるが、さて、あなたはどのタイプだっただろうか。

タイプ@「ボランティアコーディネーターは不必要」
タイプA「ボランティアコーディネーターは職員でなくてもよい」
タイプB「職員なら誰でもすぐにできる」
タイプC「専門職としての確立を」

 実は、このタイプ@からCの流れは、日本におけるボランティアコーディネーターの発展のプロセスを表している。また同時に、現場において今も立ちはだかっているいくつかの壁をも表している。コーディネーター自身がタイプCであっても、その組織の上司や同僚や支援者がタイプ@、A、Bであるということは、残念ながら少なくないのである。

 以下、日本における現状を整理してみよう。

◆第一の壁(タイプ@)−無理解と見せかけの理解

 本誌の読者には、おそらくこのタイプは少ないだろう。また先にも触れたように、阪神・淡路大震災を契機にボランティアコーディネーターの必要性がかなり広く浸透したため、日本においては、この第一の壁は乗り越えつつあるように思える。かつては、ボランティア活動自体に一般の関心が少なかったことから、コーディネーターの存在についてまで意識が向けられなかった。また、自発的な活動に職員(コーディネーター)が介入するのは良くないという意見もあった。

 そもそも日本において「ボランティアコーディネーター」の必要性が指摘され出したのは、一九七〇年代中頃からである。七六年に大阪ボランティア協会において日本初の「コーディネーター養成講座」が開かれ、翌七七年には全国社会福祉協議会発行の『月刊福祉』において、ボランティアコーディネーターの必要性を指摘する論文が登場している。この当時に比べると、コーディネーターの必要性についての認識はたしかに飛躍的に進んだと言える。しかし、気をつけなければいけないことがある。それは”見せかけの理解“である。

 たとえば、「ボランティアコーディネーター? ああ、ボランティアの振り分け役でしょ。そりゃ、いてもらった方が便利だね」「施設を訪問するボランティアグループが重ならないように、曜日や時間を調整する人のことですね」といった発言は、しばしば耳にするものである。「ボランティア」も「コーディネーター」もどちらも日本では比較的なじんでいる言葉なので、正しく役割を知ろうとせずに、自分で勝手なイメージを作ってしまいやすいのだろう。もちろんボランティアコーディネーターは、単なるボランティアの振り分け係でも日時の調整役でもない。もっと深く広い役割がある。

 このように”見せかけの理解“で、図の「Yes」を選ぶ人が多いと、その組織は第二の壁にぶち当たる。

◆第二の壁(タイプA)−有給職員として理解されない

 すなわち「ボランティアの振り分けをしたり、日時の調整をするだけなら、わざわざ正規職員がする必要はない」という考え方である。この、タイプAに該当する人や組織は、今の日本では残念ながらまだかなり多い。典型的な例が、阪神・淡路大震災後に作られた神戸市九区のボランティアセンターである。震災時にあれだけボランティアの活躍とコーディネーターの必要性が言われたにもかかわらず、未だコーディネーターの身分はアルバイトとパートのままである。財源の問題もあろうが、むしろ”見せかけの理解“のゆえであろう。このようにボランティアコーディネーターの役割を矮小化して認識している組織では、職員としての位置づけがあいまいになる。その結果、コーディネート業務すべてをアルバイト一人にやらせたり、ひどい場合には何人かのボランティアに交通費だけ払ってお任せしている団体もある。

 ただし、ボランティアがスタッフとしてコーディネート業務の一部を担うこともすべて否定するわけではない。例えば、訓練を受けたボランティアスタッフが、ボランティア活動希望者への面接部分を担うとか、オリエンテーションの一部を担当するなど、その組織によっていろいろな工夫が考えられるだろう。

 実際、筆者が視察したオーストラリア各州のボランティアセンターでは、ボランティアコーディネート業務に多くのボランティアスタッフがかかわっていた。しかし、日本と決定的に異なるのは、その前提としてフルタイムの専門職員(名称は、ボランティアコーディネーターまたはボランティアマネジャー)が必ず存在するということだ。

 では、なぜフルタイムの職員が全体を通して担当すべきなのか。

 それは、ボランティアコーディネーターの仕事が一連のプロセスからなっているからである。すなわち、ボランティア活動プログラムの設計→ボランティアの募集→ボランティアの面接→ボランティアのトレーニング→ボランティアの配置→活動中のふりかえり(会合、記録、統計)→活動プログラムの評価→活動プログラムの改善、という流れの中で、各々のボランティアの満足感と成長、そして利用者のQОL(生活の質)の向上を実現していくという、誠に専門性の高い仕事だからである。仮に職員の配置は行っても、この”専門性“の部分が認識されない場合も多い。これが次にあげる第三の壁である。

◆第三の壁(タイプB)−専門職として理解されない

 日本では、まだまだ第二の壁でとまっている組織が多いが、オーストラリアでのボランティアコーディネーターの主な課題は、この第三の壁に集中しているようだった。すなわち、タイプBの考え方をとる組織に対して、施設の指導員や病院の看護婦が安易に担当になるのではなく、独自の専門性を身につけた人がコーディネーターとして採用されるべきだということを訴えているとのことだった。

 この壁は、日本でも徐々に大きく取り上げられるようになってきている。民間組織ならまだしも、生涯学習センターや図書館などの公立の施設の場合、ボランティアコーディネーター職はもちろん公務員であり、当然、人事異動の対象になる。したがって、辞令一枚で翌日からボランティアコーディネーターになるわけである。正規職員なので第二の壁はクリアするが、専門性という第三の壁で今後様々な問題が起きてくるだろう。

◆第四の壁(タイプC)−専門性の確立に向けて

 では、独自の専門性を持った職員としての位置づけを確立する、すなわちタイプCの考え方を実現するには、何が必要なのだろうか。

 現在の日本においては、次の三つのことが求められるだろう。一つは、コーディネーター自身が、自分の仕事にアイデンティティをもち、その専門性を十分に自覚することである。

 第二に、業務内容を確立することだ。先に述べた”見せかけの理解“を”真の理解“に変えるためにも、ボランティアコーディネーターは何をする役割なのかを、今よりももっと明確に文章化する必要があるだろう。

 そして第三に、ボランティアコーディネーター独自の資格・認定づくりを考える必要があるだろう。

 以下、これらの課題について、研究集会の参加者の状況やアンケート調査の結果を紹介しながら、さらに探ってみたい。

(WEB上では残念ながらここまで、あとは本誌をご覧ください!)

編集委員 筒井のり子


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社会福祉法人大阪ボランティア協会