Vマーク青 月刊ボランティア〜Internet Edition〜
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No.335 / 98年5月号
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No.335表紙
CONTENTS

論説
  V時評  状況から逃げないということ
 〜イベントボランティアの意味〜
特集
  「市民と作るがキーワード」
社会教育施設におけるボランティアマネージメント
〜「人と自然の博物館」ケースが示唆するもの〜
 
コラム
  ことば−歴史の中のボランタリズム
むだちしき
 
ニュース
  ぱらぼらアンテナ
 トピックス 谷口 明宏
 ニュース
漫 voU
 
エッセイ
  小言騒語 西村 秀俊
私のボランティア初体験 森 法房
 
コラム
  現場は語る
 
エッセイ
  私の本棚 「活動資金作りが楽しくなる本」
 
コラム
  行け行け!市民のウェブ工房
ボランティア・めでぃあちぇっく
 
情報
  市民のためのインフォメーション
 
情報  大阪ボランティア協会・発
  協力感謝
インフォメーション・スクエア
 
巻末インタビュー
  この人に 龍村 仁 さん
   
編集後記


...No.1 ●映画監督●  龍村 仁 さん さん

 
 
 
「僕たちがこれからどう生きていきたいか」
そんな想像力こそ
今,求められているんでしょうね
 
 
 

 現代人は「自分自身のいのちは自分のもの」という感じ方が大半ですよね。大きないのちに生かされているっていう感覚を持てなくなっているでしょ? 三十五億年前にこの地球に生命が誕生し、それが延々と続いてきたことを頭では分かっていても、地球環境をすべての生命体が一緒になって作っていることを毎日生きている実感として持てなくなっていますね。私の作った映画『地球交響曲』のなかに出てくる人物は、そういう感覚が極めて強く、リアリティを持って感じているんです。
 登場人物たちは、決して特別な環境で育った特別な人ではない。ダライ・ラマにしても、ジャック・マイヨールにしても、みんな現代の二十世紀末という時代を悩み苦しんだ普通の人なんです。ただ、彼らの素晴らしいところは、最終的な答えが非常にオプティミスティック(楽観的)だということ。彼らは、大変な状況下でもなお「大丈夫だ」っていう言葉を出す。例えば、データ分析的な見方をする人なんかは「ダメだ、もうダメだ」と悲観的になりがちなんですよね。本当に本気でその状況に関わらざるをえなくなって、ペシミスティック(悲観的)な状況を自分の身体全体でちゃんと感じ取り、それと格闘してきた人ほど、最終的に楽観的になる。楽観的な未来を自分の意志で選択しようとしたんですね、彼らは・・・。そして、それができるのが人間だということを言っています。
 そもそも、人間っていうのは、「楽になりたい」という思いで外側の環境を変え、今の状況を作ってしまったと言えます。そこには、利便性を求めて環境をドンドン変え、バランスを悪くしているという感覚がない。だからそれを解決する技術も生まれない。つまり、これからの未来は、今生きている「僕たちがどうありたいか」というビジョンによって決まってくる。「大変だ!」と現状を分析し、科学的解決法も必要ですが、僕たちがこの地球上において「どう生きてたいのか」ということを見つめる時ではないでしょうか。
 私たちって、「想像力」はリアリティではなくて、絵空事というふうに思っているでしょ?ところが実は、この物質的な世界を現実的にいろんな形にしているのは、人間が「こうありたい」と思う想像力だとも思うんですね。現代社会というのは、科学技術の発展により生活が楽で便利になったぶん、カンタンにいえば想像力が奪われていっている。だから、想像力が自分たちの日常にとって重要な役割を果たしていることを思い出すということこそ、今の時代には重要じゃないかな。結局、現実を作るのは、そういう想像力や人のこころだと思います。
 だから、今いろんな形で環境問題に取り組む会議や運動がありますが、分析だけに留まらず、そういう「想像力」を喚起してくれる、勇気を与えてくれるようなものであってほしい。あれこれ細かい数字やらいわれても、一般の人には分からないですからね。

(綾)

●龍村 仁さんプロフィール●

1940年生まれ。ATG映画「キャロル」を制作・監督後NHKを退職。以後、ドキュメンタリーやコマーシャルなど多くの作品を手がけ、映画「地球交響曲・第三番」は現在も各地で上映されている。



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社会福祉法人 大阪ボランティア協会