Vマーク青 月刊ボランティア〜Internet Edition〜
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No.332 / 98年1・2月合併号
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No.332表紙
CONTENTS

論説
  V時評  「教育改革」とボランティア活動
     −生きる力の教育への参加−
特集
  新春特別企画  「ボランティア百人一首」
特集関連    先達が詠んだ「ボランティア」の歌
ルポ
  NPOと媒体,広告業界を結ぶ米国公共広告機構
−田中弥生氏報告

現代モノ社会と「個室内自我」
−野田正彰氏公演録

NPO法案は,なぜ継続審議になったのか?
ニュース
  ニュース&ショートニュース
漫 voU
コラム
  現場は語る
   自治体間の制度のギャップ
  ボランティアの限界と可能性
エッセイ
  小言騒語 西村秀俊

私のボランティア初体験 村上 公彦
情報  大阪ボランティア協会・発
  あんぐる

愛縁奇縁

むだちしき

協力感謝
情報
  市民のためのインフォメーション
巻末インタビュー
  この人に 俵 万智さん
   



...No.1 ●歌人●  俵 万智 さん

 
 
 
蛇行する川には蛇行の理由あり
  急げばいいってもんじゃないよと
  (『チョコレート革命』より)
 
 
 

 『チョコレート革命』にも出てくるスモーキーマウンテンっていうフィリピン・マニラにあるスラム街で、子どもたちにミュージカルをやらせてあげようというものに参加したことあるんです。実際、やってみると、その子どもたちがほんとに楽しそうに歌って踊るんですよ。スポットライトも浴びて、ミュージカルをするというのは、彼らにとっても大きな財産になったでしょうし、私自身、「そういう機会を得られるチャンスを与えるということも支援の一つなんだなあ」って感じたいい機会でしたね。モノをあげるとかだけではなくて、「表現する喜びを味わう機会」を作るっていうことが、子どもがこれから生きていく中でとても大切なことで、そういう支援もあるんだと知りました。
  私の仕事は、「歌を作る」ということなんですが、これは一見、このような支援活動に比べて、とても遠回りな社会参加に見えるでしょうね。しかし、遠回りでも、人の心に届けば、その時は力を持てるんだと思うんです。冒頭の歌でいうと、「蛇行する川」っていうのは、ちゃんと蛇行する理由っていうのがあって、湿原にたくさんの水を配りながら蛇行している。それを人間っていうのは、A地点からB地点まで直線でつなぐといった急ぐ作業ばっかりやってきたんだと思います。私たちはその自然の大きな意味っていうのを捉えながら、付き合っていくことが必要だなって思い、あの歌を作りました。私の場合、「湿原を守ろう」というようなスローガンを言うのではなく、やはり自分は短歌を作っている人間なので短歌にそういった思いを託して、それを読んだ人が「そうだよね、人間ってこういうことしてきたんだ」って歌を通して、何か感じてくれたらいいなあ…って思います。短歌は、短い言葉で表現するものなので、読む人の立場や受け取る感性で解釈したり広げてもらうことで、成り立っている部分もあるんですよ、実際。だから、たったひとつの答えしかない短歌っていうのはすごくつまらないものであって、読む人、読む時代によって変わってもいいと思う。遠回りだけど、読み手の心に届く歌を作る―。そういう在り方ですね、私の場合…。
  みんな自分の「窓」ってあるでしょ。ボランティアといっても、いろいろ身近な「窓」があるわけで・・・。私の場合は、それが歌なんですね。だから、釧路や四万十川に行って、ボランタリーに歌を詠むということもあったり、そういう身近なきっかけからの関わりから始めればいいかな、と思っていますが・・・。結局、私は「言葉」というものを介することが自分の力を一番発揮できるので、歌を通してボランティアというものにこれからも関わっていけたら嬉しいですね。

(綾)

●俵万智さんプロフィール●

'86年『八月の朝』で第32回角川短歌賞を、'87年『サラダ記念日』で、第32回現代歌人協会賞を受賞。著書に『かぜのてのひら』(河出書房)『短歌をよむ』(岩波書店)等がある。



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社会福祉法人 大阪ボランティア協会