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市民活動情報誌『月刊ボランティア』1997年4月号(通巻324号) 目次に戻る
日本の美しい自然を、守り伝えたい
ノンフィクション作家
C・W・ニコル さん
No.126
●C.W.ニコル・プロフィール●
作家。1940年イギリス南ウェールズに生まれる。17歳でカナダに渡り、その後カナダ水産調査局北極生物研究所の技官として、海洋哺乳類の調査研究にあたる。67年より2年間、エチオピア帝国政府野性動物保護省の猟区主任管理官に就仕。シミエン山岳国立公園を創設、公園長を務める。72年よりカナダ水産調査局淡水研究所の主任技官、また環境保護省の環境問題緊急対策官として、石油、科学薬品の流出事故などの処理にあたる。95年7月、日本国籍取得。著作は多数発行されている。

  故郷はイギリスですが、僕はケルト人で、イングランドよりも古い歴史を持つ森の国・ウェールズの出身です。

 僕は、ウェールズの苦しんだ文化を見聞きしてきました。産業革命以降、政府はウェールズの木を伐採し、炭坑を掘り、ウェールズの男たちの多くが肺病で死にました。その後、資源を使い尽くして他国の石油や石炭を頼った結果、ウェールズには ポタ山だけが残り、失業率が37%にもなりました。僕が12歳の頃の話です。破壊された美しかった森は、結局ウェールズ人の汗と愛情で復元する他ありませんでした。

 強い国にするために人や森を犠牲にした政府というものを、僕は信じていません。実は日本にも当てはまるのではないでしょうか。

 僕は27年前に日本へ来ました。僕が住んだ信州・黒姫山には、それはそれは美しい森が残っていました。何種類もの木々。真っ新な雪の上には動物や鳥の足跡や実がドラマを見せてくれていました。その感動は、今でも忘れられません。「日本ほどいい国はない!」と思ったものです。

 ところが近年、貴重な原生林は切り払われ、ゴルフ場ばかりが増え、その現状を訴えても政府は目をつむっています。黒姫の森も然りです。

 DNAの宝庫である原生林こそは守らなくてはなりません。今や2%しか残されていませんが、未知の世界へ誘ってくれる共重な森なのです。なぜ、近代社会は森までも“使い捨て”にしてしまったでしょうか。

 大事なものを大切にしましょうよ。いい政治家を選び、未来を信じましょうよ。美しい自然が支えた日本の文化を、何としても守り伝えていきたいものです。 

    

(南)
人・愛・ふれあいプラザ・住之江区実行委員会主催
講演会「人と自然の共生」より

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Volo(ウォロ)は大阪ボランティア協会が発行する 市民活動総合情報誌であり、オピニオン誌です。
『月刊ボランティア』創刊1966年。『Volo(ウォロ)』と誌名を変更して2003年新創刊。一貫して「市民が主体的に関わることの大切さ」を伝えてきました。分野・セクターを越えた社会的課題に市民がいかに関わるかを独自のアプローチでタイムリーに発信しています。