我々は往々にして古くからのやり方に囚われてしまい、そこから抜け出すのに優しく(場合によっては強く)一押ししてもらわなければなりません。一方、「新しい」ことを考えるのに時間を取られてしまって、当たり前すぎて陳腐にさえなったものは目の前で起こっていることであっても見過ごしてしまうこともあります。そこで今月は、ボランティア募集に焦点を当ててみることにしました。これは誰にとっても非常に重要でやりがいのあるテーマです。
情報の全面開示にかんがみて言うならば、ご存知の方も多いでしょうが、私の著書で未だに一番人気が高いのはThe
Volunteer Recruitment (and Membership Development) Book(『ボランティア募集およびメンバー育成のために』)(http://www.energizeinc.com/xmlEi/solo.php?fzg_navGrpBtn=1-128-P-1)です。初版は1998年で、二度の改訂は主にインターネット時代の新人募集テクニックに即応するためのものでした。このテーマについて書いたり研修を開いたりしていますので、常に同業者から質問を受けており、そういった質問が今実際に現場で何が起こっているかのバロメーターにもなっています。私の感じでは、どうしても易きについてしまって、相も変らぬメッセージを相も変らぬ場所で相も変らぬ方法で繰り返している(成果もだいたいにおいて代わり映えしないか芳しくなくなっている)ようです。
ボランティア募集について学ぶ機会はたくさんありますし1、確かに上手くやっている方も多いでしょう。けれども驚くほど退屈な募集の呼びかけを日をおかずに目にすることもできます。そういった呼びかけはみな「これこれの団体ではボランティアを募集しています。」といった類の言葉で始まっています。我々が先ず始めなければならないのは、マーケティングの専門家と同様に考え、行動することです。すなわち、新人募集というやりがいのある仕事を絶好の機会と捉えて、自分たちの運動を人々に知ってもらい、自分たちの組織の魅力を喚起し、自分たちの地域の豊かな人的資源を見出すのです。
ボランティア募集というのは、取り入ったり強要したりお願いをすることではありません。自分が手にしている機会を、ボランティアになってもらうことで他の人たちとも分かち合おうとしているのだ、この機会を逃して欲しくないのだ、というのが一番のやり方でしょう。あなたの募集広告を誰かが見聞きしたとして、その反応は、「驚いた」とか「興味をそそられた」とか「その気にさせられた」といったように形容されるものでないといけません。微笑みや笑いを誘うのもいいでしょう(ボランティア活動はややもすると堅苦しく深刻なものとされがちですから)。
そこで、私は新人募集についての金言をいくつか挙げてみようと思います。すなわち、組織や募集テクニックの如何にかかわらず肝に銘ずべき原則です。また、あなたの金言も教えていただければ嬉しいです。
そこに人がいるからではなく、ふさわしい人がいるところに出向く。
ラテン系の人を探しているのなら、ポーランド系アメリカ人婦人クラブではだめです。当然だと思うかもしれませんが、新人募集のビラを置いたりスピーチをしたりしても、相手がいるというだけでその相手の内容も分析しないことがどんなに多いか考えてみてください。これはマスメディアを使った募集は避けるということでもあって(みんなただ聞いてはいるけれどもだれも注意を払ってはくれません)、小規模な募集活動の方が望ましいのは、場所をそれなりに絞ることで、求める技術や特徴を備えた人を見つけられる可能性が高くなるからです。
求める新人を見つけるにふさわしい場所だと思うなら、よい反応が得られるまで呼びかけ続ける。
広告業界の人なら、繰り返し訴え続けてやっと効果が現れるものだと教えてくれるでしょう。ですから、3年に一度プレゼンテーションをするだけで、あなたの団体でもボランティアができるのだとその人たちが覚えてくれているだろうなどと思わないことです。スピーチをして、翌月にはメッセージを送り、その翌月にはあなたの団体の休日イベントの案内を送る、などなど。うるさく言うのでもなく、同じことを繰り返すのでもなく、あなたの団体の存在をアピールしていつでも大歓迎だと訴え続けるのです。
最初から全容を明らかにしておく。
簡単だという印象を与えても、やりがいがあるという印象を与えるより魅力的に映るとは限らない。
我々には中古車セールスさながらの悪評が立っています。「ひと月に数時間ですみます」とか「委員会はふた月に一回です」とか言いながら、実際にはそのボランティアの仕事はそれよりずっと手間も時間もかかるというわけです。我々は人々を「尻込みさせてしまう」のを恐れているのです。でもここでちょっと考えて欲しいのです。その仕事の内容の全てを告げたら最初から相手のやる気をそぐというのなら、途中でその人に全容が明らかになった場合にそれでもやりおおせるなどと一体どうして考えることができるでしょう。あなたの求めに自発的に応じることができないような人に関わってもらうよりは、自己選別してもらってご退場願うほうがずっといいのです。同時に、明らかに誰にでもできるような仕事を引き受けるよりは、少々骨の折れる役割を担う方がやる気を掻き立てられるというのもよくあることです。
多彩な人材をボランティアとして確保するために、口コミの域を超える。
ボランティアの世界で金科玉条のように言われているのが、「ボランティアをしている人が自分の友達もボランティアに誘うというのが新人募集の場合一番だ」というものです。ただ人数を増やしたいだけならそれも結構です。けれども、何であれ多彩な人材を求めるなら口コミだけではだめです。なぜって、それは、口伝えの場合、年齢、生活水準、価値観、興味などが似たもの同士になるからです。また、聞く側も、あなたの団体でのボランティア活動を思い描く場合、それを説明してくれた人を基準にするものです。したがって、自ら進んで新しい場所、新しい街、新しい集団に働きかけなければなりません。言い換えれば、ボランティアとしてすでにかかわっている人たちがまだ知らない人々にこそ働きかけなければならないのです。
どこにでも掲載してもらう。
あなたの団体のボランティア活動内容を掲載してもらうチャンスがあれば、何であれ、決して断らないことです。特に掲載料がかからない場合はそうです。インターネットレジストリーや50マイル以内のボランティアセンターのデータバンクには全て登録しておきます。学生活動団体にも知ってもらい、従業員ボランティアプログラムのある企業にはリストに載せてもらうようにします。RSVP(高齢者や退職者のボランティア活動促進プログラム)やハンズ・オン、その他どのような人材プログラムにも掲載してもらうようにします。他にもたくさんあるでしょう。Make
a Difference DayやMartin Luther King, Jr. Day of Service等などにも参加しましょう。けれども、ただ団体名とあたりさわりのない一般的な「ボランティア募集」のメッセージを載せるだけではいけません。具体的で(活動内容をそれぞれの役職名や必要な資格を付して掲載する)、最新の(あるポジションがうまったならそれをリストからはずして、新しいものを掲載する)情報提供を心がけなければなりません。そのためには、自分たちの団体がどこに掲載されているかを記録しておき、送付したメッセージには全て日付を付け、忘れないようカレンダーに印を付けて掲載内容の更新にあたらなければなりません(ボランティアが役に立つかもしれませんよ)。
団体のホームページを活用する。
2000年のことになりますが、私は「自分のホームページをおいて一体どこで?」と題するホットトピックを書きました。これは現在でもそのまま当てはまります。http://energizeinc.com/hot/aug00.htmlを参照してください。
注意を惹くために他と競うのではなく、思いがけない場所で人々の意表をつく。
キワニスクラブ、ロータリークラブ、教会クラブなどは発言者が年中目白押しです。掲示板がいっぱいでどんなメッセージを載せても埋もれてしまうことだってあります。新人募集の呼びかけをしたいのなら、クリエーティブになることです。あなたの運営する保護施設の朝食を手伝ってもらうためにボランティアが必要なら、夜勤の食事休憩をねらって近くの工場に行ってみなさい(もちろん、許可は必要ですよ)。皆、喜んで迎えてくれるでしょう。他に誰も彼らのもとを訪れるようなことはありませんから。是非呼びかけてみたいと思う地域のストリートフェアーにテーブルを出すために人を遣りましょう。フェースペインティングなど子供の喜びそうなことをしたり、あなたの活動に関する情報資料を無料で配布したり、イベントのテーマに合うような衣装をボランティアに着させたりしましょう。とにかく存在を知ってもらうことです。
このホットトピックを糸口に、現行の募集方法を検証し、どうしたら一味違ったものにすることができるか検討してみましょう。自分にとって楽しいものになれば、それだけ人々の意欲も掻き立てることができるのです。
それでは・・・
- あなたにとって最も重要な新人募集についての金言あるいは秘訣で、みんなにも知って欲しいと思うものは何ですか。
- あなたにこの世界での経験があるとして、ボランティア募集の方法に今まで変化はありましたか。今のところ人々に参加してもらうために最も有効だと思われる方法についてはどうでしょうか。
1手始めに今ここに挙げる二つはどうでしょう。我々のオンラインライブラリーのRecruitmentのセクション(http://energizeinc.com/art/subj/recruit.html)とCollective WisdomのコーナーのRecruitmentのセクション(http://energizeinc.com/recruit.html)。このふたつはそれぞれあなたを資源の宝庫に導いてくれるはずです。
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