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2005年12月
チャリティー・バーンアウト? 
自然災害のもたらした影響に対処する
スーザン・J・エリス

今年も1年が過ぎようとしていますが、2005年を振り返ってみると複雑な心境にならざるを得ません。素晴らしい出来事が今年もたくさんあったと願いたいところですが、自然災害についていえば、稀に見る損壊が人命と財産を見舞った最悪の年として歴史に残ることになるかもしれません。津波、ハリケーン、地震、どれをとっても救助や援助活動が今年ほど必要とされた年はありませんでした。そして、なかには非効率なものもありましたが、大体において政府も個人も迅速に対応しました。

莫大な時間とお金が災害援助を必要としている非常に多くの地域につぎ込まれたため、地域組織の「日常的」な活動に必要なボランティア募集や資金調達に影響が出ました。厳しい状況をどう乗り切るかについて、以下、若干のアドバイスをしてみたいと思います。

井戸は渇いても雨はまた降る

「チャリティー・バーンアウト」の兆候を指摘する向きもあります。すなわち、ボランティアや資金提供者はもう限界に来ていて、新たな要求に応えるだけの資源もなければエネルギーも奮い起こすことができないという感覚です。災害の規模を考えてみれば、それも確かにうなずけます。少なくとも、まさに夜に日を継ぐ活躍で貢献してきた人々にとってはその通りでしょう。

なかには、あれやこれやの援助キャンペーンをむしろ口実にして、新たな関わりを避けようとしている人もいるでしょう。しかし、惜しむことなく何度でも要求にこたえてきた人たちにとっては、そのうえ歳末恒例の呼びかけにも応じるというのは確かにきついかもしれません。地域の団体からの呼びかけにはこんな反応が返ってくるかもしれません。

今年の〇〇の貧しい人たちが抱える問題に比べれば取るに足らないじゃないですか。これまで長年お手伝いしてきたんだし、今は緊急を要する活動に時間やお金を向けたいという気持ちを分かってもらいたいですね。

重要なのはボランティア募集や資金調達のキャンペーンを何事もなかったかのように展開しないことだと私には思えるのです。緊急を要する諸活動がその数においても緊急度においても今年は圧倒的であることを理解する必要があります。そして、そうした活動に自発的に無償で応じてきた人たちに感謝の念を表すのです。難しいのは、そのうえでこうした緊急の活動でもって身近で重要な問題に応える代わりにしてしまうのではなく、あくまで「特別」な貢献だと位置づけることなのです。

歳末キャンペーンは実際、十分な成果が上がらないかもしれません。何ヶ月かしてまたやってみることです。ボランティアや資金提供者たちに後ろめたさを感じさせてはいけません。

今からが勝負―発掘した力を持続的なものに

誰もが認識していることなのですが、被災者たちへの喫緊の援助もさることながら、本当に大事なのはコミュニティをまるごと再建するための地道な活動を何ヶ月も何年も続けることなのです。マスコミや国民は関心を持ち続けられるでしょうか。報道キャンペーンを意識的に展開して今後の状況に目を向け続けるのでなければ無理でしょう。

長い目で見ればインターネットは重要な手段になり得ます。再建に関わるすべての団体が少なくとも週に一度はウエブ上に写真を掲載して進捗状況を継続して知らせるべきです。こうすれば、実際に汗を流している人たちの貢献を広く認めることもできますし、資金提供者やボランティアを考えている人たちに自らの貢献には意味があるのだということを目に見える形で示すことができます。一般的な呼びかけから始めて個々の具体的なプロジェクトへと進めていくのもいいでしょう。自らの支援が町全体にどう役立っているのかを手に取るように捉える訳にはなかなかいきませんが、学校や病院や街区が一つ一つよみがえる様を伝えれば、人々の気持ちを持続させることができます。こうした手法はすでに長い間実際に取り組まれていて、先進国の家庭を「スポンサー」に募集して途上国の子供を一人また一人と援助してゆく団体などが成果をあげています。

競い合うのではなく、日頃果たしている重要性を強調する

生死、壊滅的な打撃、離散する家族など、どれも圧倒的で第一義的な問題です。人々の気持ちを揺さぶらずにはおきません。津波やハリケーンの緊急性に比べれば、青少年センターやコミュニティ・シアターや識字率向上プログラムなどどうやって太刀打ちできるでしょう。

とても無理です。

しかし、これはどちらが先かという問題ではありません。生活の現実なのです。状況がどんなに厳しくなっても日常生活は続きます。赤ん坊には食べ物が必要ですし、車にはガソリンを入れなければならず、仕事や宿題の締め切りも守らなければなりません。ですから、あなたの団体がこうした日々の生活(これがコミュニティを居心地のいいものにするのです)にしっかり織り込まれていること、そしてこうしたことをないがしろにすればしっぺ返しがくることをアピールするのです。既にボランティアとして活躍している人たちにお願いしてこうした主張を他の人たちに伝える手助けをしてもらってはいかがでしょうか。

身近なものに魅力を

年がばれてしまうかもしれませんが、60年代のミュージカル「ヘアー」のなかの歌詞に「血を流している群衆ばかり気にして、困っている友達はどうでもいいの?」というのがあります。リベラルな活動家たちがややもすれば国や世界のあちこちで起こっている大きな出来事ばかり気にかけて、助けを必要としている目の前の人に手を差し伸べようとしないことを悔やんでいるのです。

キシコ湾岸から遠く離れた町の人たちの多くが、行き場を失って町にやって来ざるを得なくなったカトリーナの被災者を歓待し気遣う一方で、地元のホームレスには概して関心を示さないというのも、こうしたことをよく示しています。シェルター、フードバンク、ミールプログラムが全米各地さらには海外でも運営されていて、お金やボランティアを必要としていますが、地域の人々の関心を惹きつけ、その関心を持続させるのには悪戦苦闘しています。どうも目にすぐとまる遠くの人たちを助ける方が身近な困窮に対峙するよりアピールするようなのです。

この感謝祭週間でカトリーナ被災者たちに提供された食事に関する記事をどれだけ目にしたか考えてもみてください。それも本来なら見慣れた(そしてメディアの側からすればおそらく退屈な)地元恒例のホリデーミールの写真が載るところを差し置いて。また、ボランティアが地球の向こう側まで行ってインド洋の島に家を建てているというニュースストーリーを見てみましょう。そして地元のHabitat for Humanityの事業の報道を最後に見たのはいつかを思い出してみてください。あなたの町の地道な取り組みを写真にとってその進捗状況や成果の報道に役立てる新聞があるなんて思わないでしょう?ボランティアに頼んで感謝祭の贈り物にもらったデジタルカメラをあなたの活動に役立ててもらいましょう。

ボランティア募集に携わる者は資金提供者たちが感じるであろうバーン・アウトからポジティブな何かを生み出せるかもしれません。自然災害が起こっても、たいていの人達はボランティアとしては募金をするか物資を送ること以外にあまり多くのことはできません。そこで次のような募集キャンペーンがボランティアを考えている人たちの心に響くかもしれません。

スリランカやニューオーリンズあるいはカシミヤ地方の災害地域に直接出向いて援助することができず、物足りなさを感じていませんか?でも、苦難を乗り越える手助けをする機会ならここ私たちの町にだっていくらでもありますよ

お願いするばかりではなく実績を語ろう

ニュースに取り上げられるだけでは十分ではありません。皆が私たちから受け取るメッセージについて考えてみましょう。私たちは常に何かを頼んでいるという感じがします。私の勘では、新規ボランティア募集と前回の募集キャンペーンに応募したボランティアが実際にやり遂げた活動のレポートの割合は平均して501といったところではないでしょうか。ボランティアの実績を公に称えることにも力を注いでいるとしても、たいていの人達はわれわれのことを際限なく何かを求めてくる存在と考えるのではないでしょうか。

ボランティアたちは成功体験に目を向けます。成功の仲間入りをしたいのです。世間には支援するに足る運動はいくらでもあるわけですから、ある運動を選び他を選ばなかったからといって罪悪感を掻き立ててはなりません。そうではなくて、参加して本当によかったというものにしてあげるのです。繰り返しますが、ウエブサイトを活用してボランティアたちが成し遂げた成果を認めてあげましょう。サービスを提供するに当たって手助けを必要としているスタッフの声ばかりでなく、あなたの団体のサービスを利用した人たちの声も広く知ってもらう方法を考えましょう

  • 今年は自然災害に皆が圧倒的な反応を示しましたが、その結果生じたボランティア関連のトレンドや課題として、他にどのようなものに気づきましたか。
  • 再建のプロセスを継続するために今後何年かにわたってボランティア参加の水準を維持しなければならない災害援助組織に何かよいアイデアはありませんか。
  • 地域の「日常的」な活動をしている組織と災害援助組織が協力し合い助け合う方法は何かないでしょうか
原文はhttp://www.energizeinc.com/hot/2005/dec05.htmlをご覧ください