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2004年5月
世論の方向づけ:ボランティア活動、行政、そして報道
スーザン・J・エリス

4月には何かがあったとしか思えません。というのは、4月は米国のみならず他の国々においても、行政とボランティアの交わりが様々な状況でニュースとして取り上げられたからです。全米ボランティア週間は、(いつもことですが)メディアのレーダーに映る映像は何もありませんでしたが、これらのニュースの話題はボランティア週間とは関連のないものでした。一つひとつの記事それ自体は、ボランティアプログラム・マネジャが前向きそして批判的に、議論したり、詳細に分析しようと思えばできるでしょう。しかし、ここで私が取り上げたいのはこのことではありません。一般の人々がこれから紹介する記事を読んでどのように考えるのかを、少し距離を置いて考えてみたいと思います。

ニュース記事の例

エナジャイズのホームページにある “Breaking News”(急報)の4月11日から始まる週にある記事(http://energizeinc.com/news.html) は、最近のカリフォルニア州の労働判決に関係することでした。それは、流域復元プロジェクトに関わる作業をする人々に労働賃金の支払いを命じるものでした。受託業者が高い労賃支払いを逃れるのを阻止する合法的な試みとして取り組まれたことが、数十年に及ぶボランティア参画の歴史のある活動領域において、ボランティアのすべての関与を禁止する全面的な規制となってしまいました。

地球の裏側では、ニュージーランドヘラルドが4月8日に次の記事を掲載しました。

ボランティアタクシーがお役所の形式主義で中止に

身体障害者のためのファンガレイ(Whangarei)ボランティア移送サービスが、お役所仕事のために追い出されようとしている。

9年間活動してきたが、新しい規則と対応費用が原因でファンガレイ・パラフェッドは、明日活動を終了することになるだろうと、ノースランド・パラフェッド・トラストの事務局長イアン・アーヴィンは語った。

継続のためには、11人のボランティアには特定の認可、健康診断、緊急救助免許書、そして損害賠償保険が要求されることになる。 「私は、ボランティアたちにこれらのことを求めることはしません。彼らにお願いするのは筋が違います」。

ファンガレイ・パラフェッドは週7日、年365日活動してきたが、一度として重大事故を起こしたことはなかった。 1

ベテランアドミニストレーション(Veterans Administration)のボランティアのドライバーに要求事項を審査するという、これと驚くほど良く似た話が、アイオワ州アイオワ市のKCRG-TV9で取り上げられた。2

フロリダ州ブロワード郡のサン・センティネル(Sun-Sentginel)では、ボランティアに関する別の出来事を取り上げています(4月3日)

ローダーデールボランティアプログラムに疑問を呈する

今の暫定シティ・マネジャ(訳者注:行政や都市経営の専門家。契約期間の間だけその行政に関わる)は、「規定方針どおりで仕事をしない」ということを売り文句にしていますが、彼自身のような人々で構成された、市庁舎で無料で「働き」、情報公開法を巧みにかわすことができる「幹部クラスのボランティア」集団を提言しています。公文書公開法のもとに南フロリダ・サン・センティネルが入手した内部Eメールの中で、諮問団の討論を一般の人々に公開するという厳格な開かれた政府の規則を守らずにコミュニティにあるビジネス、予算、その他専門的知識を巧みに利用する方法として、シルバは、幹部クラスのボランティアに関するアイディアを提案していた。3 (全文を読みたい方は...)

これでは、市民参画の創造的な発想が、政治権力のごたごたの板ばさみになってしまいます。ボランティアは、公務員の政治的な目的のために、あるいは行政の規則を出し抜くために利用されるべきではありません。しかし、一方行政の先導者が自治体のために資質のあるボランティアたちの支援を受け入れることができる場合でも、私たちが見落としている問題があるでしょうか?

このテーマについては、これもまた4月に掲載された次の二つの記事でも同じです。ローレル・リーダー(Laurel Leader)にはメリーランド州にあるその町に関する地域ニュースが掲載されました。この記事の後半では駐車規定そのものについては人々のかなりの苦情が書かれているものの、駐車違反の切符を切るためにボランティアたちを活用することは、警察、商店主、買い物客、そしてボランティアたちはいいことだと理解しています。

ボランティアの駐車違反切符切りへの賞賛と反対の声

メインストリートで2時間の駐車制限を越えたことがこの数年のうちにあったなら、市が取り締まりの手を緩めていたことに気づかれていたと思います。

しかし、もうそうではありません。

「楽しんでやっていますよ」と、メインストリート504にあるSomething Special コーヒー店主で、ローレル市民警察同好会の設立メンバーであるパット・ウォルシュ(Pat Walsh)は語ってくれました。「本当に役立っている気持ちになれますよ」 4 (全文を読みたい方は...)

4月23日には、マレーシアでは政治家たちがマレーシアのコミュニティ・サービスの義務化を問題視しているという記事がスターオンライン(The Star Online)で取り上げられました。

議員たちはNS(ナショナルサービス)コミュニティ・サービスで悩んでいる

ある下院議員が、ナショナルサービス(NS)プログラム、特にいくつかのコミュニティ・サービスの有効性について問題として取り上げ、州は連邦政府にたいして評価を提出するように求めた。

フィリップ・ラジンバング(Philip Lasimbang 連立与党-Moyog選出)は、未経験のNS訓練生たちが来て「数本の釘を打つ」しかしていないのに、例えば村で家を建設するといったgotong-royongプロジェクトのために資金を充当しなければならない時は、選出された政治家たちは苦痛だと感じていると語った。

「何人かの訓練生は、それまで一度も金槌を持ったこともありません。どうやって彼らに働いてもらえると思われますか?」と、火曜日に行われた州議会のオープニングでのHead of State(州の長)のスピーチについての討論の中で、質問を投げかけた。

彼によれば、NS訓練生や公務員が使用するため、ある施設は一般の人たちは利用不可能となっているとのことであった。 「たとえば、国体にむけて練習をしているある陸上選手たちは、訓練施設に利用を拒否されました。

何故なら、Likasスポーツ総合施設の一部がNS訓練生によって使われていたからなのです」 州が評価することで、これからのNSプログラムは、より効果的に実施されるようになるだろうと彼は述べた。 5

義務化、資格そしてミッションについては、永遠の議論であると思われます。ゴールは、一般の人々のために働くことでしょうか、それともNS訓練生に何かすることを与えることなのでしょうか。ここでの問題のひとつは、「コミュニティ・サービス」と「ボランティア活動」間の違いであり、類似点です。このことは、4月15日のニューヨークタイムズの記事の中で焦点があてられた課題でもあります。

公営住宅にいるからには、仕事か、ボランティアか、さもなくば退去

マンハッタンローワー・イーストサイド(ニューヨーク市マンハッタン島南端の東半分)にあるリリアン・ワルト・ハウスの住人である、シャリーマ・マラブ(Shaleema Malave)に2週間ほどまえに思いがけない手紙が到着した。それは召集令と読めた。

公営住宅に住み続けるためには、18歳以下の4人の男の子の母で専業主婦であるマラブさんは、今後12ヶ月の間に無償のコミュニティ・サービスを96時間行わなければならないと、その1ページのニューヨーク市公共住宅機関からの手紙に書かれていた。警察でのボランティアでも良いと提案されていた。他にも、ハビタット、図書館、あるいは公園緑地局でも良いとあった。

「私が母親でいることはままならないの?」と、42歳のマレブさんは、かたわらの夫と子どもたちとともに問いかけた。「私たちは規則を破っているわけではないわ」

フルタイムで働いている、学校で勉強をしている、身体障害者、あるいは62歳以上でなければ、公共住宅のすべての住人に毎年コミュニティ・サービスを行うことが義務づけられるという6年前に制定された連邦法をおくればせながら来月からニューヨーク市は、実施する。6 (全文を読みたい方は...)

この記事で読者は様々なことを考えさせられます:要求されているコミュニティ・サービスは、公営住宅利用に対しての公平な補償なのでしょうか?公営住宅に住んでいる人々には、ボランティア活動を選択する権利は、その他の市民と比べて限定されてもいいものなのでしょうか、あるいはなくてもいいものなのでしょうか。たかが一年間に96時間(週2時間以内)については、騒ぎすぎなのでしょうか?

逆に、行政のいくつかの事業体は、例えばペンシルバニア州メープルタウンの教育委員会のような善良なる市民が申し出た純粋なボランティア活動さえも評価していません。メープルタウンの4月の公開集会が、その地方紙オブザーバー・リポーター(The Observer-Reporter)で取り上げられました。

教育委員会がボランティアに調査から「手を引く」よう要求

メープルタウンーサウスイースタン・グリーン教育委員会は、計画を知らなかった保護者たちが学校にスクールバスの後を追っているドライバーについて報告するように問い合わせてきた後に、地域の移送調査を作成しているある住民にその調査作業の中止を求めた。

教育委員会は、ジョー・ザラー(Joe Zalar)が地域の経費節約を図ってバスのルート調査を実施する許可を与えていた。ザラーは、無償でその調査実施を自発的に申し出ていた。

ザラーが自分の車でバスの後をつけているのを見た保護者やバスドライバーが、不審な行動についての報告を学校に求めてきた後、ザラーに彼の調査を中止するように求めたと、教育委員会の委員たちは木曜日に語った。

「保護者たちは電話をかけてきて、子どもたちは恐がっていると言っている。教育委員会は木曜日にザラーに彼の計画を止めるようにお願いした」と教育委員会の委員ジェフ・デュランコは述べた。(中略)

地域住人のトム・フォックス(Tom Fox)は、ザラーは地域に役立とうとして自主的にボランティアをしていたのに、協力も得られず、さらに教育委員会の委員たちから脅かされたと述べ、ザラーへの処置に関して教育委員会に不平を申し立てた。7 (全文を読みたい方は...)

この記者、あるいはメープルタウンの多くの市民たちは、この教育委員会の委員たちもボランティアであることに気づいているのでしょうか。

一般市民が受け取るメッセージとは?

これらの報道記事は、それ自体は特別なものではありませんが、私のように一ヶ月でこれらすべての記事を読んでいた人はほとんどいないと思います。しかし、ボランティアの分野にいる私たちは、行政がボランティアに関して一般市民に送っている錯綜したメッセージの影響について、報道機関通じての場合は特に、注意を払うべきだと、私は思っています。

一般市民は、これらの記事を理解するために必要な背景をほとんど持っていませんから、それぞれのケースで記者から手がかりを得ているのです。であれば、問題を過度に簡素化して報告している(あるいは全くしない)場合、あるいはボランティアや雇用労働者が少しでも嘲笑されているならば、そこにはもっと知るべきことがあることを読者はいかにして知ることができるのでしょうか?私にとって重要な問題点は、これらのようなニュース記事(たとえ長期的なものであったとしても)が途切れなく続き積み重なっていくことによる影響が、非営利団体のボランティア募集の呼びかけに対しての人々の反応などに影響することになるかどうかです。

次のような質問をあなたはどのように考えますか?

  • 錯綜したニュース記事が、「ボランティアになりませんか」という私たちの募集の呼びかけの支障にならないでしょうか?
  • ボランティア活動は善良なる市民であることの表現として理解(そして評価)されているのでしょうか?それともそうではないのでしょうか?
  • ? 一般の人々は、コミュニティ・サービスボランティア活動を同意語として考えているのでしょうか?コミュニティ・サービスという用語と法違反者の選択的処罰はどれほど密接な関係があるのでしょうか?
  • ボランティアたちがいったん活動を始めると、どのように取り扱われているかについての一般的な認識はどのようなものでしょうか?

出典:

オンライン上に掲載されたニュース記事は、しばしば数週間後には削除されることがありますので、エナジャイズのサイトに記事の全文を掲載しました。上記のホットトピックスの文章の中のそれぞれの抜粋からリンクしてあります。

1 New Zealand Herald, 8 April 2004.  Online at http://www.nzherald.co.nz/storydisplay.cfm?
storyID=3559308&thesection=news&thesubsection=general

2 KCRG-TV9 News, Iowa City, Iowa, 19 April 2004, online at: http://www.kcrg.com/article.aspx?art_id=80664&cat_id=123

3 Sun-Sentinel, Broward County, Florida , 3 April 2004 . Found online at: http://www.sun-sentinel.com/news/local/broward/sfl-48fteprogram,0,4845465.story?coll=sfla-news-broward (no longer posted)

4 Laurel Leader, Maryland, April (day unknown) 2004. Found online at: http://news.mywebpal.com/news_tool_v2.cfm?pnpID=810&
NewsID=539567&CategoryID=5845&show=localnews&om=1
(掲示終了)

5 Star Publications, Malaysia, 23 April 2004. Online at: http://thestar.com.my/news/story.asp?
file=/2004/4/23/nation/7829691&sec=nation

6The New York Times, 15 April 2004. Online at: ttp://www.nytimes.com/2004/04/15/nyregion/15HOUS.html?
ei=5062&en=1fcac66dcdfbb83c&ex=1082606400&adxnnl=
1&adxnnlx=1082486999-w9G6h4dp62hB4bEusXRTEw

7Observer-Reporter, Mapletown, Pennsylvania, April (day unknown) 2004.  Found online at: http://www.observer-reporter.com/280350795890528.bsp (掲示終了)

 

原文はhttp://www.energizeinc.com/hot/2004/04apr.htmlをご覧ください