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2004年4月
ボランティア・マネジメントの成功のために
―アメリコアへの提言
ゲストコメンテーター: スティーブ・マッカーリー(Steve McCurley)

スーザンからのコメント:
アーバン・インスティテュートの報告書と3月のホットトピックスについてスティーブ・マッカーリーが寄せてくれた感想は通常のレスポンスコーナーに載せるには長すぎたのですが、新たにホットトピックス一回分この議論を続けるにはうってつけでした。ありがとう、スティーブ。そして、他にもこのサイトを見てくれているたくさんの人たちが議論に加わってくれることでしょう(なぜって、インターネット以外の場で実際、たくさんの人たちがこのことについて議論を交わしているのですから)。

先月のホットトピックス(「賞賛、批判そして活用すべき新報告書」)でスーザンが論じたのは、非営利組織や教区のボランティア・マネジメント能力についてアーバン・インスティテュートが新たに出した報告書でした。その論評の中の「堪えられないところ」という手厳しい見出しのついたくだりでスーザンが取り上げたのは、報告書が間接的に述べている、ボランティア・マネジメント能力の問題点のなかにはアメリコアのメンバーを短期のボランティア・マネジャーとして派遣すれば対処できるものもあるのではないかというところでした。

報告書が発表されてからのひと月の間に、国内・コミュニティーサービス公社が調査結果を真剣に受け止めていることがはっきりしてきました。公社のリーダーのこのところの会議での発言や公社内の職員に対する指示から判断すると、ボランティア・マネジメントにかかわるインフラストラクチャーを築くべく、アメリコアは持てる力を集中する準備を進めているようです。また、注目すべきは、イギリスでゴードン・ブラウン(Gordon Brown)が提唱している青少年ボランティア活動のための新たな計画(society.guardian.co.uk/volunteering/story/0,8150,1151693,00.htmlを参照ください。)が公然とアメリカの試みに範を求めていることで、この問題は遠からず国の枠を超えたものになるでしょう。

アーバン・インスティテュートの報告書の中で争いようのないのは、何であろうがボランティアを巻き込んでゆく助けになるものなら大多数のチャリティーにとって役立ち得るだろうという調査結果です。では、アメリコアのメンバーがボランティア参加を促す活動のために派遣されたとして、どうすればこの果敢な試みが当初の期待を裏切らずに済むようになり得るのでしょうか、とりわけわずか一年の派遣期間という制約の中で。

柔軟に考えてみる:別のアプローチ

私が思うに、実際に成果を上げる一番の方法はこれに全く違ったやりかたでアプローチしてみることです。アメリコアのメンバーを一人ずつチャリティーにあてがうのではなく、ひとつのチームとしてコミュニティーに派遣するのです。そして、ボランティアセンターなど、人的・技術的に支援してくれる組織を介して活動するのです。コンサルティング業務を行うチームとして一体となって活動し、対象となる複数の組織でボランティア・マネジメントの活動を創り出してゆきます。個々の組織単独の活動ではなくコミュニティー規模で協力してゆく活動に重きを置くのです。こうしたまったく別の仕組み(コンサルティング・コア・モデルと名づけましょう)の方がうまくいくと私は思います。理由は以下の通りです。

  • チームにした方がコンサルティングを成功させるために必要なスキルをいろいろと備えることができるはずです。チームにするとメンバーは、複数の視点やより多くの人的資源、その他チームで問題に対処していくアプローチのあらゆる利点を活用できるでしょう。個々で活動するよりチームの一員として活動する方がメンバーの孤独感もずっと少なくなるでしょう。

  • 組織間のつながりができて活動を進める助けなります。コンサルティング・コア・モデルの場合、組織の「ユーザー・グループ」を立ち上げて、そこで活動の進捗状況を議論したり、そこから何ほどか競争を促す刺激を受け取ることができます。

  • 「助成を受けている団体」から「プロジェクト」へ、活動の焦点が移ることになります。活動のねらいは単にある組織に短期のボランティア・マネジャーを派遣することではありません。そうではなくて、ボランティアの参加促進のための組織独自のシステム作りを支援することなのです。コンサルティング・コア・モデルを採ればこの区別が明確になり、実際そのようにことが運ぶ可能性が高くなります。
このモデルならば面白いパートナーシップも可能になります。企業で働いている人たちをボランティアに募集してコンサルティング活動を支援してもらうこともできると考えてもみてください・・・。

示された枠の中で

公社が以上の私の提案を考慮するしないにかかわらず、アメリコアのメンバーは続けて個々の組織に派遣されるでしょう。組織を「ボランティアに友好的な」ものにしていくというのは並大抵なことではありませんし、経験に乏しいことが往々にしてあるボランティアでうまくいくと期待するのはほとんど我々の仕事に対する侮辱にも等しいことです。アメリコアの派遣申請や運用システムに関する枠組みをつくるにあたって三つ提案があります。実行すれば結果は明らかに違ってくるはずです。

1. 組織がしっかり活動に関わることを求める。

アメリコアのメンバーは通常、組織からの申請書にもとづいて派遣されます。この申請書には助成金の申請によく使われるものと同様、申請の目的に関する誓約事項がたくさんあります。それもいいでしょうが、通常の助成金申請書にはない事項をいくつか加えると役立つと思います。ここに列挙してみます。

  • 理事会が積極的に関与することの明示
    内容としては、ボランティアの参加促進を理事会として正式に承認すること、理事を任命して定期的に進捗状況を理事全員に報告させること、ボランティア参加に関する情報を毎回理事会の議題にあげることなどでしょう。ボランティアの参加促進を成功させるには組織運営のリーダーの支持は欠かせませんから、その支持がない組織にアメリコアのメンバーを派遣しても意味がありません。アメリコアのメンバーにボランティア・プログラムの構築に携わりながらこうした支持を取り付けるよう期待するのは全く非現実的です。

  • ボランティア活動全般の評価
    ボランティアの活用を考えるのは初めてという組織もあれば、既存のボランティア・プログラムを再構築・活性化しようという組織もあるでしょう。組織の現状に関する基礎データがあれば役立つでしょうから、申請組織にはそれぞれのボランティア活用や登録、あるいはボランティア・マネジメント実践についてデータを提供するよう求めます。エナジャイズ・ライブラリーの Evaluation/Program Assessment のセクションに紹介されているようなツールやスーザンの網羅的な Volunteer Management Audit を活用してもらうのがいいでしょう。

  • 地域のパートナーからの推薦
    助成金の申請には必ず次にあげるような組織からの推薦状を求めます。ボランティアセンター、DOVIA (Directors of Volunteer In Agencies 非営利組織のボランティア指導者連絡会)、企業ボランティア評議会(Corporate Volunteer Council)、友愛組織、商工会議所、超宗派の連合組織、大学コミュニティーサービス団体、等々。こういった組織がすべて当該活動の顧問委員会のメンバーになっている場合には優遇するのがよいでしょう。

2. 2つの重要なスキルについて事前の研修を実施する。

事前の研修は非常に重要で、アメリコアのメンバーが首尾良くスタートを切る助けになるでしょう。単独で組織に派遣される場合でもコンサルティング・コアの一員の場合でも変わりはありません。研修の内容として実際、重要なものが2つあります。

  • ボランティアの参加を促す活動に関わる研修
    アメリコアのメンバーはボランティア・マネジメントを理解することが必要になるでしょう。その範囲は、最近の動向に始まって、配置計画、募集と配置の実際、指導と認知にまでいたります。自ら直接、この研修を実施することが重要です。なぜなら派遣先の組織では誰にも研修をしてもらうことを期待できないからです。過去の派遣とは様変わりです。かつては派遣先の組織が自前の専門性を備えていることが期待でき、その組織で活動していくうちにそれを身に着けていくことができました。幸いなことに、ボランティア・マネジメントに関する研修については我々が非常に多くの実践を国内で積んでいるところで、今では他の国にも紹介されるまでになっています。

  • コンサルティング技能に関わる研修
    アメリコアのメンバーの役割は単に短期のボランティア・プログラム・マネジャーにとどまらず、派遣先の組織がボランティア・マネジメント体制を立ち上げるのを支援したりもします。そしてこれには全く異なる技能が求められます。基本的にメンバーは派遣された組織のコンサルタントとして活動するわけで、ボランティアのニーズを見つけ出し、それを充たしてゆきます。私の知る限りこういったことを学ぶのに一番の事例は1990年代の初めにポインツ・オブ・ライト財団のパラダイム・プロジェクトで行われた活動で、この活動はボランティアを活用しようとしている組織にコンサルタントとしてボランティアのチームを関わらせようとしたものでした。今でも財団の Catalog services unit から資料を入手できます。

3. サポート体制を確立する。

ボランティア・プログラム・マネジャーは時として孤独な仕事ですが、それはひとつには同一組織内に相談できる同じ立場の者がいないことが多いからです。幸いサポート体制を作っていく方法はたくさんあります。

  • インターネットで助言者を募集する
    AVA(Association for Volunteer Administration)と連携して、アメリコアのメンバーに対してインターネットを通じてボランティアで助言してくれる現職のボランティア・マネジャーを募集します。こうすれば親身で経験豊かな援助が得られ、いつでも必要に応じて情報を提供したり助言を与えたり元気づけたりしてくれます。AVAに依頼してメンバーたちを全員「準」会員にしてもらったり、ボランティア・マネジメントを仕事にするのも面白いかもしれないと言って聞かせてもらうことだって場合によってはできるのではないでしょうか。

  • 既存のサポート団体にメンバーを登録する
    地域のDOVIA、あるいはCyberVPMのようなメーリングリストにメンバーを登録します。アメリコアのメーリングリストだけではいけません。限られたフォーラムを出たほうが幅広い援助が得られるからです。

  • 実地に役立つキットを提供する
    ボランティア・マネジメントを一からもう一度作り出そうというのは余り賢明ではありません。テンプレートやツール、ハンドブックをはじめ、ボランティアの参加を促す活動をあらゆる角度から捉えたものが簡単に手に入ります。CD一枚さえあればどんな場合でも必要以上のものが手に入るはずです。

最後に

われわれの多くが、アメリカで今よりずっとボランティア・マネジメントのコミュニティに力があった頃を憶えています。アメリコアのメンバーを一時的なボランティア・マネジャーとして起用するのに違和感を覚えるのは「旧き良き時代」を想い起こしているからでもあります。私も実際、思い出すことができるのですが、ボランティア・マネジャーの大きな会議が毎週のように開かれて、どの会議にも百人以上出席していたという年もありましたし、何百ものDOVIAが機能しているときもありました。

今はそういう状況ではありませんし、そうなるにはもっと多くのチャリティーがボランティア参加促進の利点を認識しなければなりません。私はそのためなら手助けの労はいといません。そして、ボランティア・マネジメントのインフラストラクチャーを確立する手助けのためにアメリコアのメンバーをチャリティーに派遣するのは、皆が期待しているような「大躍進」ではないものの、少なくとも正しい方向への一歩であると確信しています。

さらに、少なくともなかには気分を害する人もいるだろうと覚悟の上で言うのですが、「プロ」のボランティア・マネジャーたちがこうした「アマ」のアメリコアのメンバーが自分たちの高度に専門的な領域で活動することに対して懸念の声を上げるのを耳にしますが、そうした懸念の多くは有給の職員がボランティアの参加に不平を言うのにとても似ているように思えて私としては居心地が良くありません。アメリコアの過去の実績が私たちに何かを示してくれるとしたら、それは若者たちの頑張りは時として驚くべき結果をもたらすということでしょう。仲間の手助けが少しでもあればなおさらです。

次は皆さんです

スーザンからの質問:さて、皆さんはいま示されたアイデアをどう思われましたか?

  1. スティーブの構想が採用されたとして、この考えは全体として上手くいくと思いますか、それともまだ大きな問題があると思いますか(あるとしたらそれを説明してもらえますか)。
  2. アメリコア・コンサルティング・チームという考えをどう思いますか。
  3. 今までとは異なるこうしたアメリコアの活動は、アメリカ全体のボランティアの文化を強めるでしょうか、それとも妨げになるでしょうか。
  4. アメリコア・ボランティアのボランティア・プログラム・マネジャー派遣期間一年が終了したらどうなるのでしょうか。スティーブの「成功への構想」にどのような実践を組み込んでおけば、アメリコアのメンバーが去ったあとも彼らが「築いた」ボランティア・プログラムの仕組みの崩壊が防ぎやすくなるでしょうか。
  5. アメリカ以外の皆さんはおおよそこういったことについてどう思われますか。
原文はhttp://www.energizeinc.com/hot/2004/04apr.htmlをご覧ください