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2003年6月
ボランティアの労働による資金調達
スーザン・J・エリス
これまでにも言ってきましたが、ある問題が「ホットトピック」になるのは、それが新しいからではなく、時としていろんな方面からにわかに、その問題を取り上げるかまびすしい声がきこえるからということがあります。ボランティアがなんらかの事業の手伝いをしたあとにのみ非営利団体に金銭の寄付を申し出る企業の実施している状況がそうです。2週間の間に、私は個人から数通のEメールを受け取りましたし、メーリングリスト(listserv)へのいくつかの投稿も見ました。すべてがボランティアを食い物にする営利目的の事業に関するものでした。これは多くのグレイゾーンと一体になっている複雑な話題です。では、何が問題点なのかを検証してみましょう。

まず、私たちが認識しておくべきことは、ビジネスを通じて資金調達をする場合の様々な方法です。私はおおきく3つのカテゴリーに分かれると思います。

  • 直接寄付型

    これは議論不要な資金調達の形態でしょう。毎回その企業の基金からというわけではありませんが、非営利団体にそのままお金を寄付してもらうことを企業に依頼します。個々人の寄付と同様に、資金を得るのは組織の売り込み能力とその基金に可能な資金があるかに左右されます。ときとして、「○○ほどの金額をくだされば、あなたのご家族/企業のお名前を建物やプロジェクトなどに命名します」といった、物々交換になることもあります。タバコ会社やいくつかの営利目的のベンチャーが好ましくないと見なされている以外は、このタイプの取引は問題になることはほとんどありません。

  • 利益分配型

    これは協力関係の一例です。非営利団体と企業のどちらもが協力し合って販売活動を行い、その収益金の一部が非営利団体へ入ります。通常「慈善運動に関連したマーケティング(cause-related marketing)」と呼ばれています。例をひとつ挙げてみると、ヨープレイト社のヨーグルト容器の「ピンクのフタ」を会社へ郵送すると、ピンクのフタ一枚につき10セントがスーザン G. コメン乳がん財団(Susan G. Komen Breast Cancer Foundation)に寄付されます。

    ここではしかし、もっと地域のボランティアとの関係が強いプロジェクトに焦点を絞ってみましょう。どういうことかと言うと、たとえば、非営利団体がショッピングセンターで祝日のプレゼント用ラッピングを取り扱い、期間中にボランティアの協力によって集めたお金をすべてその団体に取り入れてしまう場合です。団体が資金を得るのと同時に消費者(非営利団体の支援者)は買物で割引を受けることができるので、買物しそうな消費者にクーポンをもってお店へ行くようにと勧めながら、クーポンを配るのもひとつの企画でしょう。こんな例はもっとたくさんあります。それらに共通しているのは、企業側にとってはボランティアによる働きがビジネスシェアを拡大させ、一方団体にとってはそれが新たな資金になるということです。消費者にはいずれにせよほしかったものを買うチャンスを堂々と促しながら、非営利団体を支援するという新たな副次的な効果を持っています。

  • 報酬型

    もっとも議論の余地のあるのはこの形態です。というのは、企業は非営利団体に接近し、実際にはボランティアの労働を何らかの方法で「獲得する(buy)」のと引き換えに金銭の寄付をするというものです。その取組みは、製品サンプルを無償で配ることから、営利目的のイベントチケットを購入することや、そのほか必要な課題を果たすことまでに及びます。もしボランティアがこういったことをしなければ、企業側は安い賃金の従業員を雇わなければならないでしょう。

これら様々な例は、かならずしもいいとか悪いということではありません。これら資金調達プランに対する皆さんの反応は、ボランティア保護に対するというよりも、収益事業に対する皆さんの姿勢によって左右されるのかもしれません。資金調達同様、どのようにお金を稼ぐかが重要だ、と感じている方もいるでしょう。

ここフィラデルフィアでは何年にもわたって、大きな百貨店のひとつが、大々的な宣伝をしたチャリティーお買い物デーを運営していました。非営利団体が割引クーポンをできるだけ多くの支援者に配ることに同意すれば、参加登録ができ、特別デーにはお店にボランティアを送って買い物客を手伝ったり出展テーブルにスタッフを置いたりしていました。たしかに、当日の店の売り上げは伸び、地域を巻き込むことによる波及効果もありました。団体は売り上げ収益の何パーセントかを得て、それに加えて店頭での展示で自分たちの活動を見てもらう機会を得ることができました。買い物客は割引を受け、自分たちが購入することによって重要な運動を助けていると認識するというオマケ的恩恵も得ることができたのです。ボランティアたちは、自分たちの努力の成果として即座の資金稼ぎができたと実感できました。

おそらくほとんどの人はこのことを、企業と地元コミュニティの建設的な協力関係の一例だと見なすでしょう。そうです、その目的は両者にとってお金を稼ぐことなのです、しかしこのプロジェクトは、団体が自分たちの活動を説明し善意を引きだす機会を得ていたもので、ミッションに基づいたものでしょう。

他の例もあります。ボランティアがショッピングセンターで、製品のサンプルを配るのと引き換えに団体にいくらかのお金を寄付するという案をもって、企業が非営利団体に接近する場合です。もし、提供される金額が従業員を雇うコストに比べて、ほんの申し訳程度の額ならば、警鐘をならすべきでしょう。このような場合、企業側が単に安い値段で手伝いを探しているだけなのかどうか合法的に思いをめぐらせましょう。そして、ボランティアがそんな微々たる見返りのために、自分たちの時間と労力をつかうことを承諾する必要はあるのかも考えてみましょう。

議論するにあたり、仮に企業側が臨時従業員に支払うのとまったく同じ金額を提供しているとしましょう。この取決めにどこかしっくりこないところを感じますか?では、それはなぜでしょう?そのお金で雇用されたかもしれない人から、仕事を取り上げるような感じがするのかもしれません。しかし、もし「労働」コストが同じなら、非営利団体に対してこの種の支援を企業が申し出ることにいったい何の不都合があるのでしょう?二つの必要性を同時に満たす、すばらしい解決策ではありませんか。もし、ボランティアがいずれにせよ資金調達をしなくてはならないのだとしたら、なぜこのようにしてお金を稼いではいけないのでしょう?ケーキを焼いたり車を洗ったりするほうが、思慮があり、卑しからぬ方法なのでしょうか?

頭にいれておくべきことは、こういったことは、はっきりした答えはないけれど重要な懸案だということです。イワン・シャイアー (Ivan Scheier)が、彼の著書 When Everyone's a Volunteer (だれもがボランティアをするとき)のなかで、小さな組織が資金調達するよい方法のひとつとして、「10分の1の時間の提供」について述べています。支援者たちが1日あるいは数日間の賃金を依頼者や雇い主に頼んで、直接自分たちの団体に寄付してもらうよう、イワン・シャイアーは提案しています。彼が指摘しているのは、こうすれば寄付をするときに予備にとってあるお金をさがすよりも、ボランティアは自分の運動のために資金をもっと集めることができるだろうということです。

私にとって、この問題はすべてのレベルにおいて徹底的に明らかにすべきものの一つなのです

  1. 支払い協定は公に完全に明示されるべきです。何パーセントが非営利団体に充てられ、何パーセントがビジネスへ充てられるのか?企業が人を雇ったならコストはどのぐらいだったのか、また団体が受け取るその相応の額はいくらなのか。非営利団体に入る利益を確保するために「計算すべき」ことは:

    ― 労力を費やす価値はあるのかどうか
    ― 企業側の有給労働の代用となる単なる安い労働ではないかどうか
    です。

  2. ボランティアは協定を理解し、参加する・しないの選択は自由であるべきです。正直になりましょう。他の資金調達と比べて実感しやすいため、この種の事業を気に入っているのは、往々にしてボランティア自身なのです。企業が計画実行をし、そのプロジェクトが財政面で成功するよいチャンスがある場合、ボランティアは労働を提供することを厭いません。

  3. 消費者/支援者は、それが資金調達事業であり、彼らが購入することによって最終的にどのぐらいの割合が非営利団体の銀行口座に入るのかを知っておくべきです。これらの事実が、この方法で買い物するかどうか、あるいは別の方法で寄付しようと決めるかについて影響を及ぼすのです。
皆さんがもし、搾取が危険なものかも知れないと感じたらその警鐘に留意しましょう。しかし、すべての商取引がタダでなにかを得ようとしていると決めつけないでください。多くの場合、この種の資金調達は実際、winーwinーwinの関係(お互いに有益)です。オープンになって責任をもちましょう。皆さんが本当に稼いだ利益の配分率について企業と交渉しましょう。そして実行に移せばお金が入るのです!

ビジネスと団体の協働というこのような資金調達のほかの例を教えてください。皆さんはこの種のプロジェクトで何が問題だと思いますか?皆さんの経験でよかったことや悪かったことはどういったものでしたか?ほかの人と共有したい情報やヒントがありますか?

原文はhttp://www.energizeinc.com/hot/2003/03jun.htmlをご覧ください