<<前月号     バックナンバー一覧     翌月号>> 
TOP
米国発ボランティアマネジメント最前線
Energize社 TOPへ
バックナンバー
スーザンエリス氏のご紹介
「Eボラ」のご紹介
TOP > NPO・市民活動役立情報 > 米国発ボランティアマネジメント最前線 > バックナンバー
2002年12月
ユナイテッドウェイはボランティアセンターの進む道にあらず
スーザン・J・エリス
グリンチ(訳者注:Dr. Seuss原作のアメリカで人気の童話の登場人物。山に住み、人々が一番楽しみにしているクリスマスが大嫌いな嫌われ者。2000年ジム・キャリーの主演で映画化された)のように思われるのを承知の上で言いますが、この休暇シーズンに楽しいことなどほとんどありません。あくまでも、ユナイテッドウェイの内部組織として運営されているボランティアセンターの状況に関しての話になればですが。しかし、これはアメリカでは大きな問題なのです。なぜなら、ポイント・オブ・ライト財団(訳者注:米国のボランティアセンター支援組織)の会員リストにあるボランティアセンターのほぼ三分の一が各地域のユナイテッドウェイの傘下となっているからです。(脚注1)私はこの件について長い間ふつふつ湧き上がる怒りをこらえていましたが、もう限界です。

二週間前に偶然分かったことですが、フィラデルフィア州の私の町にあったボランティアセンターが消滅してしまいました。フィラデルフィアボランティアセンターは全米で最も古いボランティアセンターの一つでした。しかし、1980年代半ばに地元のユナイテッドウェイから独立センターとしての資金調達を拒否され、新たな「全サービス提供型 」ユナイテッドウェイに合併させられたのです。その後、ボランティアセンターは情報・人的資源力が衰えることになりましたが、なんとか役に立つサービスを提供してきました。それなのに、そのセンターはなくなってしまったのです。昨年、南東ペンシルベニアのユナイテッドウェイは密かに、そして意図的に「南東ペンシルベニアボランティアセンター」の名前をあらゆるところから削除しました。そして代わりに、ある新しいホームページへの照会をたくさん載せたのです。そのホームページは(恐らくユナイテッドウェイが運営するのでしょうが)VolunteerWay.org http://www.volunteerway.org というもので、ニュージャージー南部とペンシルベニア東部におけるボランティア活動機会の共同オンライン登録です。ボランティアセンターを運営していた中心的な職員たちは、今では「コミュニティーインパクトオフィサー」と呼ばれ、様々な業務に関わっています。例えば、ボランティア活動研修やギフト・イン・カインドプログラム(Gifts in Kind 訳者注:物品寄贈を推進するプログラム)、そしてユナイテッドウェイの資金援助を受ける非営利組織に関する管理業務もあります。しかし、このことについて、手紙、報道発表、印刷物における説明などの公式通知が一つもなく、なぜボランティアセンターをユナイテッドウェイの傘下に吸収することにしたのか、何の説明もなされていません。

私の一貫する意見は、ユナイテッドウェイはボランティアセンターの資金援助をすべきであるが、所有すべきではないということです。それはなぜでしょうか。ユナイテッドウェイとの接点は表向きには良く見えるかもしれませんが、実はそうではないのです。ここに、いくつかその理由を挙げます。

  • ボランティア活動とは、ユナイテッドウェイの傘下にある福祉サービス団体がカバーしている範囲より、ずっと広いものである。アメリカ合衆国のボランティアセンターのほとんどは、あらゆる種類のボランティア活動についての情報収集を認められているものの、結局のところ、各センターの焦点はやがてユナイテッドウェイから資金援助を受けている団体が行う活動に限られてくる。したがって、例えば、地域社会参加にとって明らかに重要であっても、より幅広い分野でボランティアが関わる政府団体、文化芸術プログラム・環境保護・その他の政治的行為の運動などの団体には、資金が提供されない。
  • ユナイテッドウェイは、自分達が費用効率の優れた基金調達者であり、管理/間接費予算の総額を増やすことには嫌悪を感じるということを必死でアピールしている。そして、内部コストを低く抑えるために、組織内ボランティアセンターは小さな部門のままとされている。しかし、これはお金を重視して立てられた計画であり、必要性に基づいたものではない。独立したボランティアセンターは成長に必要な基金調達活動をもっと行うことができるのに(上手くできるセンターは少ないが)、ユナイテッドウェイ内部のボランティアセンターは外部での基金調達活動を許されていない。もしそれを認めれば、ユナイテッドウェイの基金調達キャンペーンの直接の接競争相手となり得るからだ。
  • ユナイテッドウェイは何をおいても先ずお金の組織である。ボランティア活動も、口先では称えられているが、基金調達の一方法であるということを除いては、重要なこととして扱われていない。デイ・オブ・ケアリング(Day of Caring 訳者注:「社会貢献の日」。ユナイテッドウェイが呼びかけ全米各地でイベントを開催)の急増は良い例である。デイ・オブ・ケアリングの元々の動機付けは、企業の従業員たちにユナイテッドウェイへの寄付金が地域の非営利組織でどのように活用されているかを示すことだった。そして、従業員たちがデイ・オブ・ケアリングで役に立つサービスを提供している様子に皆は満足していたが、真の目的は後でもっとお金を生み出すことである。ほとんどのコミュニティーでは、ユナイテッドウェイが資金援助をしている非営利組織だけがボランティアプロジェクトの計画を依頼され(おそらくどこもが選択の余地はなく従うしかないと感じたであろう)、給料天引き方式を採用している企業だけが従業員を派遣するよう選ばれた。つまり、招待者限定での範囲で行われたのだ。皮肉なことは、内部のボランティアセンターがデイ・オブ・ケアリングの並々ならない準備のために、計画および調整で過大な時間を費やしているため、まるでデイ・オブ・ケアリングがボランティアセンターの仕事の手助けをしているように見えるが、実際は質を悪くしているだろうという点だ。
  • ユナイテッドウェイのスタッフとして、ボランティアセンターの職員は必要時には「優先業務」を行うために駆り出されることがある。センター職員が「悪いけど、キャンペーンの真っ最中だから」などという言い訳をして会議やその他のイベントを欠席するのを何回も耳にしたことがあるだろう。ユナイテッドウェイの基金調達運動はいつも最優先であり、そのために多くのコミュニティーのボランティアセンターは一年で一、二ヶ月の間、きちんと機能することができない状態に置かれる。
  • 内部プログラムとして、ボランティアセンターはユナイテッドウェイの理事会の管轄下にあるが、この理事会がボランティアに関する議題についてどれだけの時間を協議に費やすか考えてみてほしい。ほとんどのユナイテッドウェイは、ボランティアセンターに他とは異なる支持者がいるかもしれないとは考えたこともない。妥当な意見や情報を持った支持者がいるかもしれないとは想像もしないだろう。だから、ここフィラデルフィア州のユナイテッドウェイは前触れなしに私達のボランティアセンターを消滅させてしまうことに全く抵抗を感じなかったのだ。誰かにとって重要なことだと理解することもできなかったのだ。

確かに、ユナイテッドウェイは、ユナイテッドウェイがサービスを提供するコミュニティーと同様に多様であることは承知しています。けれども、私はこの問題に関する絶え間ない噂話に辟易しているのです。また、ボランティアプログラムの担当者たちが、より良い資金提供と支援を求めるがために、ボランティアセンターの支援を行わないことが非常に多いということも分かっています。{例えば、私は地元のDOVIA(訳者注:非営利組織のボランティア指導者連絡会)からフィラデルフィア州での変化について一言も耳にしませんでしたし、いかなる情報も抗議の声も全くありません。}

反対に、北アメリカのボランティアセンターで本当にその価値があるセンターは、どれもが独立した、経済的に自立している法人格をもつ非営利団体であり、明確な使命を抱え、大きな見通しを持ち、活動領域においては広範囲にわたって理解しています。ユナイテッドウェイの内部プログラムになることは、将来的な成長にとって命取りになるのです。 

このような状況を表沙汰にする時が来ているのです。地方のユナイテッドウェイの行動はこの上なくひどいものですが、ボランティアセンターが多くのゴールや課題を持つ他の団体の傘下に入ると、必ず同様の原理が働きます。もしボランティアセンターが地方自治体に所属しているなら、恐らく地方政治からの影響を受けるでしょうし、もしくは行政が変わるたびに提供するサービスの内容も変わるでしょう。もしボランティアセンターが赤十字や女子青年連盟など、どこか他の団体に所属していれば、スポンサーの主義や関心事を優先することに圧力(微妙であっても明らかであっても)が掛けられます。独立によって初めて、ボランティアセンターはボランティア分野の全範囲にわたってサービスすることが可能となるのです。

さて、皆さん、
  • ユナイテッドウェイやその他のスポンサーがボランティアセンターの実効性をどのように制限してきたか目撃したことはありますか。(もし健全な地域関係を称賛するのであれば、ぜひそうしてください)
  • 地方のボランティアセンターの独立を促進するためには、どのような支援方法がありますか。
  • この件において、ボランティアプログラムのリーダーの責任とは何でしょうか(個人レベルと集団レベルで)。

今回のホットトピックに皆様は拍手を送られるか、それとも叫び声を上げられるか、どちらにしても、どうか思い切って皆様の意見を表明してください。

脚注
1 他のデータを入手することができなかったので、代わりに、ポインツ・オブ・ライト財団の会員として載せられている420ヶ所のボランティアセンターを一つ一つ調べてみて、そのうちの135ヶ所(32%)が各センターの名称の一部に「ユナイテッドウェイ」を用いているか、若しくは各ホームページまたはEメールアドレスでそれぞれがユナイテッドウェイの所属であることが確認されることが分かりました。ポインツ・オブ・ライトに参加していないボランティアセンターに支援を行っているユナイテッドウェイの数がどれぐらいなのかは知る方法もありません。かなり多くのボランティアセンターが「ユナイテッドウェイのパートナー非営利組織」であることを公表していますが、それは、ユナイテッドウェイから多額の基金を受け取っているけれども各自で理事会を持ち自主性を保っていることを意味するキャッチフレーズですので、それらのセンターは数に入れませんでした。

原文はhttp://www.energizeinc.com/hot/02fall/02dec.htmlをご覧ください