一覧に戻る  本の紹介TOP
TOP
大阪ボランティア協会の案内
大阪ボラ協会の本の紹介
NPOシリーズ
ボランティア・テキスト
ボランティア活動研究
ボランティア・ブックレット
『月ボラ』合本
大阪ボラ協会発行書籍(その他)
他団体発行書籍
『ご注文はこちらから』
TOP > 大阪ボランティア協会の案内 > 大阪ボラ協会の本の紹介 > 大阪ボラ協発行書籍(その他)
【その他の協会発行書籍】
書 名: 企業人とシニアのための市民活動入門
副 題: 〜会社から地域へ、そして再び社会へ〜
著 者: 早瀬 昇
発 行: 社会福祉法人 大阪ボランティア協会
定 価: 1,260円(本体1,200円+税)
初 版: 2005年3月20日
体 裁:

B6版 216ページ


  ご注文はこちらから

  読後感想文はこちらから

解説

2007年から始まる団塊世代の一斉退職。企業人・組織人として豊富なノウハウを積み上げてきた団塊世代が再び「社会」へ戻ってくる。「ボランティア活動は恋愛に似ている!」と説く著者が、世の中を切り拓き続けてきた世代へ贈る「魅惑の市民活動」のススメ。


目次

第1章 ボランティア活動の新しい風
1. ボランティア活動は、こんなに自由

  (1)ボランティア活動のイメージ
  (2)震災でボランティアが注目された「本当の理由」
    1 災害ボランティアは「初心者向き」?
    2 我慢して活動するのではなく、我慢できなくて始まる行動
  (3)「心」はどこにあるのでしょうか!
  (4)行政を超える力をもつボランティア活動
  (5)多彩さ、開拓性、温かさ…
2. 「私」を「開く」と公共的になる
  (1)普段の暮らしを「開く」
  (2)「私」から発想するのが活動に参加する鍵
  (3)買い物でもボランティアに
  (4)悩みがつなぐボランティア活動
  (5)「会社人間」の蓄積を活かす
  (6)なぜ、大阪に八百八橋ができたのか?
   〈コラム*ボランティアが支えた長野オリンピック〉

第2章 「企業市民」活動の考え方 ? これからの企業像を探る
1. 企業の社会貢献活動も公平でなくて良い

  (1)我が社の個性を活かした取り組み
  (2)タイガー5000プロジェクト
  (3)「我が社ならでは」のこだわりから独創的活動が始まる
2. 企業の社会貢献活動活発化の背景
  (1)1990年は企業の社会貢献元年
  (2)「バブルのあだ花」とは言い切れない意外な健闘
  (3)利益の社会還元…?
  (4)企業の社会的責任…?
  (5)「プラザ合意」で伝わった新しい企業経営
  (6)社会貢献は売れる!
  (7)企業評価尺度の多様化
  (8)営利志向の社会貢献活動を、どう考えるか
3. 企業の社会貢献活動の実際と、その意義
  (1)本業を活かした取り組み
    1 「本業を活かした」豊かなサービスの可能性
    2 「困ったお客さん」への対応で「本業」が開かれる
  (2)NPOとのパートナーシップ形成による市民社会の創出
    1 「民間連合」で「市民社会」作りを進める
    2 「資金支援」だけではないNPOとの連携
   〈コラム*市民活動団体との連携が進む社会貢献活動〉
  (3)自主プログラム
   〈コラム*去る人たちに慰労と感謝を〉
  (4)「会社人」から「社会人」へ -社員のボランティア活動支援
    1 社会活動への参加欲求に応える
    2 「バリアフリー」を中心に「呼び水」的効果をねらう
   〈コラム*市民活動と企業活動の親和性はここにも!
       -市民活動の推進にも「市場」が有効〉
4. CSRがやってきた
  (1)2003年は「CSR元年」
  (2)ISOが規格化に乗り出し関心が一気に高まる
  (3)何が「社会的責任」か? それが問題だ
  (4)経済的にもメリットがあるCSR
  (5)企業から「独立」しだした社員

第3章 市民活動の展開方法とNPO
1. 市民活動を進める際の「課題」と対応策

  (1)「正しさ」から「楽しさ」へ
    1 「善意」が「効果」を生み出す保障はない
    2 「独善化」の危険性
    3 「したくて活動する」ことを原点に
  (2)疲労と不信の悪循環
    1 人権の「擁護」はできても「保障」は難しい
    2 「グー」の団結から「パー」のつながりへ
2. NPOの台頭
  (1)NPOという概念が広がってきた意味
    1 NPOとは何か?
    2 「有償ボランティア」是非論争
    3 NPO概念の登場による「統合」
   〈コラム*どの意味でNPOを使っているか?〉
  (2)NPOと企業の接点
    1 NPOと企業は相対的な違いしかない
   〈コラム*「社長の道楽」の勧め ? 中小企業の社会貢献活動への期待〉
    2 NPOの「企業化」、企業の「NPO化」
   〈コラム*NPO経営とJリーグの関係〉
  (3)自ら「価値」を作り出す活動
    1 「パイオニア」は、いつも少数派
    2 「ビジョン」 ? 他者に見えない「可能性」を示す
  (4)無償で活動する人々をも組織する力

第4章 市民活動を楽しむために
1. 事例に学ぶ市民活動を進めるコツ

  (1)何をすればいいのか ? 迷った時は”好きなこと“から始めてみる
  (2)活動を続ける秘訣 ? 活動のペースは人それぞれ
  (3)ハプニングが面白い ? トラブルも活動を広げるきっかけ
  (4)相手があってこそ ? 「共感」をキーワードに
  (5)サラリーマンの経験をいかして - 市民活動のマネジメント
2. 「共感」「好き」「自信」「元気」の相関関係
  (1)普段の暮らしを「開く」
  (2)『五体不満足』で、なぜ元気づけられるのか?
  (3)HELPING YOU HELPS ME
3. 「市民」をどうとらえるか
  (1)「市民」という言葉
  (2)行政、企業と、「市民」の関係を考える
  (3)経済的、社会的、政治的に成熟した「市民」が社会をリードする
  (4)「病」という字の意味


はじめに
 

 「2007年問題」という言葉があります。「団塊の世代」が一斉に退職し始め、退職金の支払い負担や労働者不足の深刻化、技術継承などで企業経営に大きな問題が生じるのではないかと懸念されていることから言われだした言葉です。この問題を最初に言いだした日産自動車のカルロス・ゴーン氏は、実は退職者がピークになることから「2010年問題」と言ったそうですが、2007年問題であれ2010年問題であれ、団塊の世代の一斉退職が企業経営上の大きな課題とされていることは確かです。

 しかし、この2007年以降の状況に大きな期待を寄せている人たちもいます。他ならぬ私たち、市民活動の関係者です。これまで、仕事一辺倒の生活をされてこられた皆さんが、会社から地域社会に帰ってこられる! 皆さんの中から、「第2の人生」の舞台として市民活動を選ばれ、私たちに新しいエネルギーを吹き込んでくださる方が、たくさん登場されるのではないだろうか? そんな期待があるわけです。

 もっとも、「そんなに調子の良いことを言われても…」と戸惑う方も多いことでしょう。

 確かに最近は、ボランティア、NPO、NGO、市民活動、コミュニティビジネス…といった言葉が新聞紙上をにぎわしています。特に阪神・淡路大震災でボランティアが活躍して以降、市民活動への関心は非常に高まってきました。

 とはいえ、NPOとは「非営利組織」を意味するNonprofit Organization から来た言葉。そこで、営利企業とは水と油の世界ではないか…と警戒する方も多いと思われます。「愛だの正義だのと奇麗事が幅を効かすボランティアと、熾烈な競争のもと利益追求のため駆けずり回っている企業では世界が違う」といった冷めた見方もあるかもしれません。

 しかし…。実はボランティア活動やNPOの取り組みの中には企業活動との接点がたくさんあります。そこには、明日の私たちの組織と社会のあり方を見つけるヒントがたくさんありますし、時には新しいビジネスチャンスをつかむことさえあると思います。また、皆さんが企業で培った経験や能力を生かすことで市民活動のレベルアップを進めることができたり、新たな友や役割を得られるチャンスとなることも多いのです。

 そこで本書では、そんな皆さんに市民活動の素敵な世界を紹介するとともに、市民活動の世界から企業を見ることで、明日の企業像を探るヒントもお示ししようと考えています。リタイアされた方、リタイア後を考え始められた方はもとより、現役の企業人の皆さんにも、きっと役立つメッセージが盛り込まれているはずだと思います。

 どうか、従来のイメージにこだわらず、魅惑の活動! ボランティア、市民活動の世界を気楽にのぞいて下さい。

 なお、本書は当協会が2002年から実施している「マスターズ市民プロジェクト」の一環として発行するものです。このプロジェクトは、シニア層にボランティア活動やNPO活動などで活躍する新しい生き方を提案するもので、「マスターズ市民大学」の開催、「情報誌」の発刊などの事業に取り組んでいます。このプロジェクト実施にあたっては、(福)大阪府共同募金会より多額のご支援をいただいております。ここに記して感謝の言葉に代えたいと思います。

2005年3月

早瀬 昇