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「楽しみながら会計をしよう」……
このキャッチコピーはいくら何でも言い過ぎで、気恥ずかしいです。しかし、「苦虫をかみつぶしたような顔をして、ストレスをためながら会計をすることだけはさけてほしい」という思いが、この本を書くようになった動機です。というのも、突然会計担当者になって、帳簿を前に悪戦苦闘している多くの人に出会ったからです。みなさん努力をしておられるのだけれども、少々力を入れるポイントがずれているため、なかなか成果が出ないといった姿に映るのです。
何というか、「会計の勘どころ」ともいうべき基本がやはり大事なのです。一旦基本さえ身につけば、応用は後から何とかなるものです。その意味で本書は、今まであまり会計にふれたことがない初心者に、会計の基本を理解してもらうことを主たる目標にしています。しかし、何年かの経験のある中級者の方にも、再度原点に立ち返って自己点検してもらうことにも役立つよう構成されています。
また、あくまで入門書なので平易には書いたつもりですが、決してレベルを下げたつもりはありません。わが国の会計に関する最新の水準の情報を提供しようと努力しました。したがって部分的には難しいと感じられるところもあると思います。最初はわからなくて当然ですから、あまり気にしないで最後まで読みとおしていただくことを希望します。上で言った「会計の勘どころ」といったものを、おぼろげにでも感じていただいたら、1回目の読みとおしとしては十分です。
本書はNPO(非営利団体)やボランティアグループの会計担当者やそれに関わる人を直接の対象としています。NPOという言葉を本文の中で定義せず多く使っていますが、あまり厳密な範囲の限定をしているわけではありません。あまり大きくない市民活動団体を漠然と念頭に置いていますが、決してそれ以外の団体には使えないという内容ではありません。
私が大学で会計というものにふれてから、すでに30年以上たちます。しかしほぼ同じ年月を、私は多くの障害者活動に参加してきました。実は私はポリオによる下肢障害者で、そのため多くの仲間の障害者やボランティアと接してきました。本書を書くにあたっても、そこでのいろいろな経験がミックスされて盛り込まれています。
本書は、社会福祉法人大阪ボランティア協会のNPOシリーズとして刊行されるものです。協会の出版部の飯田真友美さんには、本書の企画段階から最後の校正まで、すべての面において多大の労力をさいていただきました。彼女がいなかったら本書が世に出ることはなかったでしょう。また、ボランティアの加藤健さん他、多くの方の協力を得ました。この紙面を借りて感謝の言葉を述べたいと思います。
本書が、読者のみなさんに少しでも役立てば幸いです。
2001年5月
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